中国製造が欧州に「涼」を届ける
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【11月11日 People’s Daily】今年の夏、欧州の多くの国々で記録的な高温が続く中、中国製エアコンの欧州での売れ行きが非常に好調だった。「夏もエアコンなしで乗り切る」という欧州の伝統的な考え方が変わりつつある。
税関総署の発表データによると、昨年もかなり高かった水準をさらに上回り、今年1~6月のEU向け中国製エアコンの輸出台数は、前年同期比43.2%と大幅な伸びを示し、輸出額は37億6000万米ドル(約5706億5520万円)に達し、年度上期の実績として過去最高を記録した。
他の地域と比較すると、欧州のエアコンの普及率は高くない。賃貸住宅の比率の高さ、環境保護意識の浸透、設置と運転コストの高さなどが、その主な理由である。伝えられるところでは、欧州の多くの歴史的建造物では壁に穴を開けることが許可されておらず、大家も一般的にエアコンの室外機の設置を許可しない。また設置は有資格の専門業者に依頼する必要があり、その費用は数百ユーロ(1ユーロは約176円)にも上り、定期的なメンテナンスも必要となる。
こうした状況に対応するため「美的(Midea)エアコン」は、欧州市場向けの革新的製品「移動式スプリットエアコン」を展開している。この製品は携帯性に優れ、柔軟な設置が可能で、音が静かで快適性が高く、欧州ユーザーの「痛点(悩みのツボ)」を解決するもので、ドイツ、フランス、イタリア、オランダなどで人気を博している。
同社の欧州地域総監・朱洲(Zhu Zhou)氏は「従来の室内外分離型エアコンとは異なり、移動式スプリットエアコンも室内機と室外機に分かれてはいるが、設置が非常に簡単で、ユーザー自身で取り付けができ、しかも移動が可能で、冷房性能も非常に良好だ」と説明する。
北欧ではエアコン購入と設置にかかる費用は約3000ユーロ(約52万8000円)にもなり、西欧と南欧ではそれより多少安い程度だ。これに対し同社の移動式スプリットエアコンの販売価格は1199ユーロ(約21万1024円)で、しかもユーザー自身で設置できるため、かなりの費用節約となる。
需要の急増は企業の生産を活気づけている。広東省(Guangdong)広州市(Guangzhou)南沙区の美的エアコンのデジタルスマート工場では、移動式スプリットエアコンの生産が着実に進められている。
工場の生産計画責任者・孫琦(Sun Qi)氏は「現在、このエアコンの累計出荷台数は8万台を超え、今後さらに2万台の生産を計画している」と話す。
製品の品質と生産効率を確保するため、美的エアコンは専用ラインを設けて生産しており、製品は海運ルートまたは中欧間の国際定期貨物列車「中欧班列」で欧州に出荷されている。海のルートは、広州南沙港から積み出し、マラッカ海峡を経由して、南アフリカを回りオランダのロッテルダム港に向かう。
一方「中欧班列」のコンテナは、広州で積み込まれ、イリ・カザフ自治州(Ili Kazakh Autonomous Prefecture)のコルガス(Qorgas)税関で輸出手続きの後、カザフスタン、ロシア、ベラルーシ、ポーランドなど経由で、最終的にドイツに到着する。
今年の上半期、美的エアコンの欧州市場における販売台数は35%増加した。
美的以外にも、「TCLデロンギ(TCL Delonghi)」の移動式エアコンが欧州市場で好調な実績をあげている。広東省中山市(Zhongshan)南頭鎮の同社の海外マーケティングセンターの杜銓濱(Du Quanbin)氏の話によると、同社の今年の欧州市場の販売台数は25%の成長率を示している。
同社の生産ラインはまだフル稼働で生産を続けている。杜氏によれば、欧州市場向けの製品は全て出荷済みだが、現在生産中の製品はオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチンなどの市場向けで、南半球の夏に備えたものだという。
エアコン以外にも、ドイツの多くの家庭では、中国製の冷蔵関連商品を見ることができる。多くのドイツ人消費者が取材に応じ「中国の冷蔵商品は価格が手頃で品揃えが豊富で、しばしば予想外の革新的な製品が登場する」と語っている。
ベルリンの水道電気工・シュテファン(Stephen)さんの作業場に冷房設備がなかった。最近、彼はデパートで中国ブランドの冷却作業服を購入したが、通気性が良いだけでなく、耐高温、UVカット機能も備えているという。この作業服の設計ポイントは、降温素材と衣服のインナー層に組み込まれた通風装置にあり、服の内部の温度を外気温よりも摂氏15度低く保つことができ、灼熱の作業現場に最適である。
今年3月、熊のキャラクターをモチーフにした中国のおもちゃ・雑貨ブランド「維肯熊(VickenBear)品牌供給チェーン管理」社には欧州などから、1個100ユーロ強(約1万7600円強)の「半導体冷却式ハンディファン」の注文が相次いで入り、月間の販売個数が約20万個に上った。
「この製品は東南アジア市場で一時大ブームを巻き起こした。省エネ高速モーターで風力が強く、半導体冷却板とモバイルバッテリー機能を内蔵し、継続的に冷風が送り出せる」、ハンディファンの請け負いメーカー・広東省汕頭市(Shantou)澄海区隆都鎮の「悦誠塑膠(Yuecheng Sujiao)製品廠」の責任者・余悦武(Yu Yuewu)氏は、製品を手に取りながら詳しく説明した。
余氏は将来の発展について「欧州市場はエネルギー効率と環境保護への要求が高い。持続可能な市場拡大の能力獲得のためには、サプライチェーン全体で高いレベルの技術的『ブレークスルー』を図ることができる」と、大きな期待を寄せている。(c)People’s Daily /AFPBB News