イラン最高指導者ハメネイ師の肖像燃やした男性、数時間後に遺体で発見
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【11月5日 AFP】イラン反体制メディアによると、イラン人男性が最高指導者アリ・ハメネイ師の肖像を燃やす写真をインスタグラムに投稿した後、銃撃を受けて死亡しているのが発見された。遺族や会葬者らは当局に殺害されたと非難している。
イラン西部ロレスターン州アリグダルズ在住のオミッド・サルラクさん(20代)は10月31日、ハメネイ師の肖像に火を付ける自身の写真をインスタグラムに投稿。その数時間後に森林地帯で遺体で発見された。
国営イラン通信(IRNA)は地元の警察署長の話として、男性が車内で拳銃自殺したと報じた。拳銃はそばに落ちていたという。
だが、イラン・インターナショナルやラジオ・ファルダなど、イラン国外に拠点を置く反体制メディアがソーシャルメディアで配信した映像によると、3日に執り行われたサルラクさんの葬儀では、数十人の会葬者が「やつらに殺された!」「ハメネイに死を」などとシュプレヒコールを上げた。
サルラクさんは自身の動画に故バーレビ国王の音声録音を添付し、1979年のイスラム革命(イラン革命)によって廃止されたイラン王室への支持を示した。
バーレビ国王の息子で、米国在住のレザー・パフラビー氏はX(旧ツイッター)への投稿で、サルラクさんが「(イラン・)イスラム共和国の抑圧に抵抗し、イランの自由のために命をささげた」と投稿した。
イランのタスニム通信は3日、反体制メディアの報道を否定。「反革命メディア」が「サルラクさんが体制批判的な発言をしたことで起訴され、不審な方法で殺害された」と報じたが、サルラクさんは起訴されておらず、自ら頭部を撃って自殺したと報じた。
反体制メディアがソーシャルメディアに投稿した動画には、サルラクさんの父親が泣きながら「息子はやつらに殺された」と訴える姿が映っていた。
だが、父親はその後の国営テレビのインタビューで、ソーシャルメディアで見たものを信じないよう呼び掛けた。
活動家らは、全国的な抗議活動が当局を揺るがしてから3年、そして6月にイスラエルとの間で12日間続いた戦争から数か月が経過した今、イラン当局が弾圧を強化していると述べている。(c)AFP