【11月4日 AFP】フィンランドのアレクサンデル・ストゥブ大統領は3日、米国が先週新たな核兵器実験計画を発表したのを受け、「核兵器の新時代」が到来したと述べた。

ストゥブ氏は首都ヘルシンキで演説し、「抑止の論理」と「超大国間の戦略的安定」が変容しつつあると指摘。

「われわれは核兵器の新時代に突入した。残念ながら、核兵器の重要性は増大している」と述べた。

ストゥブ氏は、「われわれはどのようにして共に抑止力を構築できるのか? どのようにしてエスカレーションを抑制できるのか?」と述べた。ロシアと1340キロにわたって国境を接するフィンランドのような小国が、同盟国と共に検討すべき課題だ。

フィンランドは、ロシアのウクライナ侵攻を受けて数十年にわたる軍事的非同盟政策を放棄し、2023年に米国主導の北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。

ドナルド・トランプ米大統領は、米国が核兵器実験を開始すると発表したが、これが1992年以来米国が行っていない核爆発を伴う核兵器実験を意味しているのではないかという疑問が浮上している。

トランプ氏の発表は、ロシアが核弾頭を搭載可能な原子力推進式巡航ミサイルと原子力魚雷の実験を行ったと発表した直後に行われた。

ここ数十年間、北朝鮮以外に核爆発を伴う核実験を実施した国は知られていない。

ロシアは1990年以降、中国は1996年以降、核爆発を伴う核実験を実施していない。

トランプ氏は2日、ロシアや中国などの国々が秘密裡に地下核実験を実施していると主張し、米国もそれに続く方針を示した。(c)AFP