【11月5日 CNS】深セン市(Shenzhen)が再び中国の対外貿易都市ランキングで首位を維持した。

深セン税関の最新統計によると、2025年1〜8月の深センの輸出入総額は2兆9600億元(約63兆4310億円)に達し、全国の主要都市の中で引き続きトップとなった。2位の上海市を271億8100万元(約5824億7252万円)上回っている。

2025年、中国の主要貿易都市は複雑化する国際情勢のなかで大きな圧力に直面している。その中で深センは取引量を維持しただけでなく、外的リスクに対する構造的な強さを示した。

もっとも、首位を守り続けられるかどうかは依然として不透明だ。深センと上海は長年にわたり拮抗しており、10年以上前には一時的に深センが上海を上回ったこともあったが、その後は上海が首位を奪還し、2023年までその座を守ってきた。

しかし2024年、深センの輸出入総額は初めて4兆元(約円)を突破し、前年同期比16.4%増の4兆5000億元(約96兆4323億円)に達して上海(4兆2700億元<約91兆5035億円>)を上回り、再び「中国の外貿首都」の座に返り咲いた。

2025年前半は一時的に上海が再び上回ったが、6月以降は深センが勢いを取り戻し、再びリードしている。

今回の首位維持は単なる数字上の成果ではなく、深センの産業構造転換と競争力向上の成果を示すものだ。

深センは加工貿易に依存する都市とは異なり、外貿の構造が多様化し、高付加価値型へと進化している。深セン税関によると、今年1〜8月の外貿の特徴として、民営企業と電子部品が好調だった。民営企業の輸出入は全体の約7割を占め、外資系企業の取引も大きく伸びている。特に人工知能(AI)関連技術の普及により、電子部品の輸入が増加し、同期間の機電製品輸入額は9491億元(約20兆3386億円)で前年比12.5%増となった。

深センの強みは全国でも屈指のハイテク産業集積にある。通信機器、スマートフォン、新エネルギー車(NEV)、ドローンといった分野で世界的な競争力を持つ企業群が、深センの外貿を支えている。

たとえば、華為技術(ファーウェイ、Huawei)、中興通訊(ZTE)、比亜迪汽車(BYD)、大疆創新科技(DJI)などは、いずれも深センを代表する企業であり、中国のハイテク産業を象徴する存在だ。その国際的競争力が、深セン外貿の安定を支えている。

統計では、今年1〜8月に深センの民営企業の輸出入額は2兆600億元で全体の69.6%を占め、外資系企業は7880億元(約16兆8863億円、前年比11.6%増)で26.6%を占めた。これらの数字は、深センの外貿の強さがその独自の産業エコシステムに根ざしていることを示している。

一方、上海も依然として堅調だ。1〜8月の輸出入は前年比4.5%増で、特に8月には電気自動車(EV)、リチウム電池、太陽光パネルの輸出がそれぞれ37.1%、112.1%、39%増加した。

輸出の分野では、両都市がそれぞれ異なる強みを発揮している。深センは電子情報産業に特化し、2024年の機電製品の輸出比率は全体の71%を占めた。対して上海は自動車、船舶、半導体などの高付加価値製造業で優位に立っている。

また、深センは輸出主導型の都市であり、2024年の輸出比率は62%に達し、32年連続で全国トップを維持している。対照的に上海は輸入ハブ都市としての役割が強く、輸入比率が57%を占める。「世界を買い、世界に売る」国際貿易拠点としての地位を確固たるものにしている。

現在、中国は新たな発展モデルの構築を急いでいる。外向型経済を代表する上海と深センの安定したパフォーマンスは、単に都市単位の競争ではなく、中国全体の外貿の安定を左右する鍵となる。

この二大都市は、中国の開放経済の最前線として、それぞれの強みを活かしながら「高品質な外貿成長」の形を示している。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News