【11月4日 CNS】中国・貴州省(Guizhou)に「世界一高い橋」と呼ばれる花江峡谷大橋が完成し、観光スポットとして注目を集めている。9月28日に正式開通したこの橋は、関嶺県に位置し、主橋の長さは1420メートル、水面からの高さは625メートルに達する。長さ・高さともに世界一の規模を誇る。

橋の上からは雄大な峡谷と川の流れが見渡せ、訪れた人びとは足元に広がる600メートルを超える断崖に息をのむ。ある観光客は「世界一高い橋でバンジージャンプをしてみたかった」と話す。車で数時間かけて訪れる人も多く、休日には大勢の観光客で賑わっている。

建設は2022年1月に始まり、総投資額は22億元(約472億8812万円)。3年の歳月をかけて完成した。開通前は対岸の貞豊県と関嶺県の往来に2時間を要したが、今ではわずか2分で行き来できるようになった。

花江峡谷大橋は交通インフラとしてだけでなく、「交通×観光」の新モデルとしても注目されている。最先端の橋梁技術と絶景を組み合わせた演出が話題を呼び、開通直後から人気が急上昇。観光客が殺到したため、現在は1日の入場者数に制限を設けている。国慶節と中秋節の連休期間(10月上旬)には観光収入が1億300万元(約22億1394万円)、来訪者数は22万人を超えた。

観光エリアでは、橋塔に設けられた高さ240メートルの観光エレベーターで橋の頂上まで上がり、雲の上のカフェから峡谷の風景を一望できる。数百元から数千元(数千円から数万元)の多様な体験プランが用意され、今後は60メートルの高さから安全ネットに飛び込む「ロープなしバンジー」も登場予定だ。ほかにもスラックラインや空中遊歩道などのスリル系アトラクションが人気を集めている。

夜は、橋の中ほどから全長300メートルにわたる水幕ライトショーが展開される。橋体から滝のように流れ落ちる水に光と映像が投影され、「まるでAI映像のようだ」とSNSで話題となった。仕組みは、トンネル内の貯水槽から水を汲み上げ、900基のノズルで霧状に噴射するという高度な技術によるものだ。

写真愛好家の人気スポットにもなっており、橋を背景にした結婚写真を撮る人もいる。SNSでは「ベスト撮影スポット」を紹介する投稿が相次ぎ、景観そのものが新たな観光資源となっている。

花江峡谷大橋はまた、周辺の観光地を結ぶ重要なハブとしての役割も果たしている。黄果樹大瀑布などの名所へのアクセスが大幅に改善され、貴州観光の新たなルートが形成された。

山岳地帯が9割を占める貴州省にとって、橋は発展を支える生命線だ。1999年に始まった「西部大開発」政策以降、橋梁建設が急速に進み、2015年にはすべての県が高速道路で結ばれた。現在、世界で最も高い橋の上位3本はいずれも貴州にあり、上位100本のうち約半数が同省に集中している。これまでに完成または建設中の橋は3万2000本を超える。

一方で、人気の高まりにより受け入れ態勢の整備も課題となっている。花江峡谷大橋観光区は10月25日、10月27日から12月上旬まで橋上観光エリアの立ち入りを一時停止すると発表した。運営全体の見直しと安全管理の強化が目的で、橋の交通自体には影響はない。観光客は引き続き周辺の展望エリアから雄大な橋と峡谷を望むことができる。(c)CNS/JCM/AFPBB News