ソウル市内のキョチョンチキン店舗(c)news1
ソウル市内のキョチョンチキン店舗(c)news1

【10月29日 KOREA WAVE】韓国の大手フライドチキンブランド、キョチョンチキンが、商品量および原材料リニューアル方針を約1カ月で撤回した。看板メニューである「骨なしチキン」の内容量を200g減らし、100%もも肉から一部むね肉を混ぜた構成に変更したが、消費者からの反発が強く、結局、元の仕様に戻す判断を下した。

この一連の騒動は、いわゆる「シュリンクフレーション(Shrinkflation)」、すなわち価格は据え置いたまま内容量やサービスの質を削減する現象に対し、韓国の消費者意識がかつてないほど敏感になっていることを示している。

近年、原材料費や人件費、物流費などが全般的に上昇する中、多くの企業は値上げではなく容量削減によってコストを吸収してきた。しかしこのような変更が相次ぐにつれ、消費者は「価格」よりも「構成の変化」に鋭く反応するようになっている。

今回のキョチョンチキンのケースでも、公式ホームページにはリニューアルの案内が掲載されていたが、消費者の多くが実際に利用する注文手段であるデリバリーアプリにはその表示がなかった。一部の利用者は、この情報の乖離に不信感を抱き、ブランドへの信頼はむしろ低下する結果となった。

事態は政界にも波及し、国政監査では「消費者への十分な事前告知があったのか」が問題視された。大統領室も関係省庁に対し、シュリンクフレーションの実態調査と対応策の準備を指示するなど、価格政策が企業の経営判断を超えて社会的課題へと拡大している。

飲食業界全体にとって、コスト上昇と消費鈍化が重なる今は非常に難しい局面だ。値上げをすれば消費者離れのリスクがあり、容量を減らせば批判を招く。そのため、企業は商品仕様変更の際、より丁寧な説明と消費者との信頼関係の維持に努める必要がある。

政府も現在、飲食業を含めた物価管理の範囲拡大を検討中で、消費者信頼を確保するための制度的枠組みが求められている。価格政策における透明性の確保が、企業・行政ともに避けて通れない課題になりつつある。

キョチョンチキンの今回の決定撤回は、外食業界に明確な教訓を残した。製品の構成変更に際しては、原価や品質といった内部要因だけでなく、「消費者がどう受け取るか」を丁寧に把握する姿勢が不可欠である。メニュー一つ変えるにも、告知のタイミングや手段、表現方法に至るまで、緻密な配慮が必要だ。

変化の“中身”よりも、変化の“伝え方”が重要な時代。企業が消費者と共に変化の過程を共有し、共感を築く努力が、信頼維持の最大の鍵となる。【news1 ペ・ジユン記者】

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News