賃金労働者27万人増加も国民年金・雇用保険の加入率はむしろ低下…韓国「不況型雇用」の拡大が背景
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【10月29日 KOREA WAVE】2025年に入り、韓国国内の賃金労働者数は27万人増加したが、国民年金と雇用保険の加入率はともに前年より低下したことが分かった。高齢者や短時間労働者を中心とした「不完全雇用」が増え、社会保険の「空白地帯」が拡大していると分析されている。
国家データ庁が10月22日に発表した「2025年8月 経済活動人口調査付加調査」によると、同月時点の全賃金労働者に対する国民年金の加入率は68.5%で、前年の68.8%から0.3ポイント下落。これは2016年8月(67.7%)以来、最も低い水準となる。
契約形態別に見ると、正規職は0.2ポイント、非正規職は0.4ポイント、期限付き労働者は0.7ポイント、時間制労働者は1.9ポイントの下落となった。雇用保険の加入率も76.2%で、前年の77.0%から0.8ポイント下落。2021年の75.2%以来の最低値。
特に高齢者層の非正規就業が顕著で、60歳以上の非正規労働者は304万4000人と過去最多を記録し、前年より23万3000人増加。初めて300万人を超えた。一方、15〜29歳で5万8000人、40代で10万6000人、50代で2万5000人と、若・中年層の非正規就業は減少している。
国民年金は18歳以上60歳未満の居住者・外国人が対象のため、60歳以上の労働者は制度の対象外となる。このため、高齢層の雇用拡大は年金加入率低下に直結する。一方、雇用保険は65歳以降の新規雇用者が対象外となり、かつ月間の所定労働時間が60時間(週15時間)未満の労働者は一定条件を満たさないと加入できない。
たとえば、1人が月60時間働くフルタイムの職を2人で30時間ずつ分けるような形で雇用が分割されると、見かけ上の「雇用数」は増えても、保険加入者数は減るという逆説的な結果となる。
時間制労働者の平均週労働時間は2025年現在18.1時間で、前年より0.2時間減少。2019年の18.9時間から持続的な減少傾向にある一方で、時間制労働者数は315万5000人から422万9000人へと増加している。
成均館大学経済学科のチョ・ジュンモ教授は「賃金労働者数が増えても、年金や保険加入率が下がるのは“悪い雇用”が増えた結果だ。制度加入の条件を満たさない“不況型雇用”の拡大が起きている」と分析。「雇用の“量”や雇用率だけでなく、“質”を政策指標として重視すべきだ」と強調した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News