浙江省杭州市:優れたビジネス環境がイノベーションの活力を解放
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【11月7日 People’s Daily】人型ロボットから、脳-コンピュータ・インターフェースデバイス、そして人工知能大規模モデルまで、今年に入り、浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)発の科学技術イノベーションの成果が次々に話題を集めている。
なぜこれほど多くの科学技術イノベーション企業が、まるで「雨後の筍」のように杭州に根を下ろし、成長しているのか。その鍵を握るのは「ビジネス環境」だ。
人型ロボットが看護師に代わって病室を回り、患者の呼吸や心拍数をモニタリングする。これはロボットに特定のアルゴリズムを集積したチップを搭載するだけで実現できるという。ソフトウェアと情報技術サービスを手掛ける「杭州曠維炬鋭科技(Megaway Technology)」の王超(Wang Chao)CEOに面会した時、彼はチームを率いてその関連アルゴリズムの研究開発に取り組んでいた。
同社は2023年「杭州高新技術産業開発区(濱江区)」に移転し「生成式人工知能(AIGC)産業イノベーションセンター」に入居した。王CEOは「濱江区が重点的に構築している産業チェーンは、当社の発展方向と非常に合致している」と言う。
同じくここに引き寄せられたのが、通信ネットワークの各種付加価値サービスを提供する「杭州謙貞数字科技(Hangzhou Qianzhen Digital Technology)」だ。創業者の王金鵬(Wang Jinpeng)氏はこのセンターのメリットを「区内にはAI分野の大手企業が数多く集まっている。センターは入居企業の責任者を招いて頻繁に講演を開いてくれる。最新の政策や産業情報を数多く得ることができる」と話す。これらAI関連企業は、同社に豊富なリソースと潜在顧客を提供しているという。
基盤があってこそ産業は根付く。濱江区の高翀(Gao Chong)副区長の説明によれば、杭州市は「国家次世代人工知能イノベーション発展試験区・イノベーション応用先導区」に指定されており、その中核エリアの濱江区は、早くも03年からデジタル経済関連産業の整備を開始し、今では区内のハイエンドソフトウェアおよびAI産業チェーンの営業収入が全市の総収入の40%を占めている。
「提携の打診が数多く寄せられている」という。スマート球形ロボットを開発した「邏騰(杭州)科技(Rotunbot)」の創業者であり浙江大学(Zhejiang University)制御科学工程学院の王酉(Wang You)副教授は多忙な日々を送っている。
先頃、温州市(Wenzhou)の巡視警官が「大きな黒い球」と一緒に街頭パトロールの任務を遂行する様子を映した動画がネットで話題となった。この「大きな黒い球」こそ、王酉氏がチームを率いて開発した水陸両用の球形ロボットで、複数のロボットによる協調作業も可能だ。
この球形ロボットの「生まれ故郷」は、西湖区の「石虎山ロボットイノベーション基地」だ。ここには浙江大学制御科学工程学院をベースとして設立された12のイノベーション工房があり、その大半は同学院の教員が設立に携わったものだ。
王酉氏は「他の先生方が何を研究しているか、覗きに行くのが好きだ」と話す。現在ロボットに搭載されているレーザーレーダーは「バイオニック脚足ロボット工房」から薦められたものだという。
西湖区全体を見渡せば、浙江大学を中心とした4つのイノベーションエコシステム圏があり、例外なく圏内の大学を核として形成されている。区は各圏が「圏を跨いだ」連携と相互のエンパワーメントを奨励し、地域内のイノベーション資源の流動化を図っている。
現在、杭州市には、1つの国家実験室、2つの国家大型科学装置、33の全国重点実験室、7つの省級実験室を含む科学技術イノベーションプラットフォームのマトリックスが形成され、科学技術の成果の研究と実用転化のためのイノベーション創業の雰囲気が醸成されている。
余杭区にある「杭州未来科技城(Hangzhou Future Sci-Tech City)」に拠点を置く「程天科技発展(RoboCT)」は、大学生起業チームが創設したイノベーションテクノロジー企業で、主に人間の動作を補助する「外骨格ロボット」を生産している。この製品は障がい者が立ち上がり、リハビリ訓練を通じて自律歩行を実現するのを支援するものだ。
21年、同社製品が量産段階に入るにあたり、新たな工場の確保が課題となった。共同創業者の張継宇(Zhang Jiyu)氏はこの問題を、未来科技城管理委員会と所在地の倉前街道に伝えた。すると翌日には、企業支援担当専門員が候補地を列挙した2ページにわたるリストを携えて来訪し、張氏を驚かせた。
23年「第4回アジアパラリンピック」が杭州で開催された。この時、張氏と起業チームは製品紹介の絶好の機会と捉え、再び管理委と街道に対し、パラリンピック選手村での製品の展示を申請した。「試しに」という気持ちで申請したのだが、なんと承認された。
張氏は「当社の外骨格ロボットは無事に選手村に入り、外国の選手たちが試用したことで、海外で瞬く間に話題になった」と語る。
そして、まさにその年から、同社は海外市場の開拓に力を入れ始め、その製品は現在では30以上の国と地域に販路を広げている。
「要請があれば必ず応える」を実現するため、杭州市は様々な取り組みを積み重ねてきた。「チェーン長制度」を実施し、専門チーム、計画と政策支援を整備した。企業に専門人材を派遣する「科技特派員制」を実施し、企業の課題解決を支援した。
デジタル経済で土台を固め、科学技術イノベーションのエコシステムで活力を注入し、精密なサービスで企業の発展を援護する。杭州はビジネス環境の最適化を持続的に進め、イノベーションの活力を解き放ち続けている。(c)People’s Daily/AFPBB News