【10月30日  People’s Daily】ドイツ南部には、この国で最も面積が広く経済が発達した連邦州がある。長年にわたり、中国との経済貿易協力で豊かな成果を挙げてきた。中国はこの州にとって世界最大の貿易相手国であり、海外で最も重要な市場の一つである。

一方、中国は長年アジア諸国の中でこの州に最も多くの投資を行っている国であり、約500社の中国企業がこの州に進出している。また、2000社を超える地元企業が、中国との経済貿易交流を維持している。

それが「バイエルン州」だ。ドイツの多くの多国籍企業の本社がここに置かれ、ドイツのみならず欧州の自動車、電子、化学、製薬産業の中心地でもある。

1975年1月、ドイツキリスト教社会同盟の当時の党首、フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス(Franz Josef Strauss)氏が招きに応じて中国を訪問した。このバイエルン州の元首相は、その後もたびたび訪中し、同州と中国の政治・経済・社会など各分野における交流協力の重要な基盤を築いた。

同州の現首相・マルクス・ゼーダー(Markus Söder)氏は「シュトラウス氏の50年前の訪問は画期的なものだった。彼は中国の潜在力と将来の重要性を見抜き、バイエルン州と中国の関係が持続的に発展するための礎を築いた」と話す。

また在ミュンヘン中国総領事の邱学軍(Qiu Xuejun)氏は「歴史を振り返る上で最も重要な教訓は、制度やイデオロギー、社会経済の発展レベルなどの違いは、協力を拒絶したり見送ったりする理由にはならないということだ」と指摘する。

75年のシュトラウス氏の訪中以降、中国とバイエルン州は常に緊密な交流を維持してきた。双方は互恵・ウィンウィンを中核とし、発展協力を基調とし、人文交流を絆として、豊かな成果を生んできた。中独関係の発展を推進する上で、模範的な役割を果たし、強力な支えを提供してきた。

ミュンヘンの東の郊外・パルスドルフでは、近代的な新型工場が陽光の下で輝いている。真新しいオフィスビルは清潔で明るく、工場の屋根には大面积の太陽光パネルが設置されている。これは187年の歴史を持ち、世界に約5000人の従業員を擁するプラスチック・ゴム機械メーカー「クラウス・マッファイ(KraussMaffei)」の新本社だ。

同グループの最高経営責任者(CEO)の張馳(Zhang Chi)氏は「新本社は、従来の生産拠点におけるスペース不足や設備の老朽化といった問題を解決した。導入したスマートスケジューリング、無人化物流、省エネ建築システムで生産効率を著しく向上させただけでなく、二酸化炭素排出量を62%、廃棄物排出量を85%削減し、グリーン工業のベンチマークを打ち立てた」と話す。

中国化工集団は16年にクラウス・マッファイ社を買収した。買収以来、同集団とクラウス・マッファイは、戦略策定から研究開発投資、生産ラインのアップグレードから世界市場の開拓に至るまで、一連の構造改革を推進してきた。特にグリーン製造、デジタル化運営、積層造形(3D)などの新分野で顕著な成果を上げている。

張氏は「明確な発展戦略、研究開発投資の拡大、生産施設のアップグレード、技術と市場の開拓を通じて、わが集団がクラウス・マッファイの変革と発展に全方位的な支援を提供した。これらの取り組みは企業の成長を推進しただけでなく、投資の増加、雇用の確保、技術の向上、市場の拡大、税収への貢献など、地域の経済と社会発展に積極的な影響をもたらした」と説明した。

バイエルン州はヨーロッパにおける重要な工業生産の拠点であると同時に、中独両国の実務協力の最前線でもある。近年、ますます多くの中国企業がバイエルン州に進出し、スマート製造、グリーンモビリティ、新エネルギーなどの新興産業に参入している。一方、ドイツ企業も中国市場の広大な舞台と技術的優位性を活用して、構造転換・アップグレードとグローバル化による発展を実現している。

先ごろ、中国のスマートEV車メーカー・上海蔚来汽車(NIO)はドイツで20か所目となるバッテリー交換ステーションを開設した。同社はバイエルン州内だけでも5か所のNIOバッテリー交換ステーションを設置している。このバッテリー交換技術に基づくグリーンモビリティのモデルは、現地の政財界の高い注目を集めている。バイエルン州にいち早く進出した中国EV企業の一つであるNIOは、15年からミュンヘンに「グローバルデザインセンター」を設立し、その従業員数は現在350人を超えている。

バイエルン州投資促進局のウルリケ・ホフマン(Ulrike Hoffmann)局長は「この5年間、中国企業によるバイエルン州への直接投資は増加の一途をたどっている。現在、約500社の中国企業が進出し、モビリティ技術、デジタル化、エネルギー、ライフサイエンス、新素材など投資分野は多岐にわたっている」と紹介する。中国企業は、この地のハイスキル人材、強力な中小企業ネットワーク、優れた交通アクセスとビジネス環境を高く評価しており、中国企業の「走出去(海外進出)」の拠点となっているという。

バイエルン州は、中国の省との友好関係が最も多い連邦州であり、すでに山東省(Shandong)、広東省(Guangdong)、四川省(Siochuan)とは「友好提携協定」を結び、科学技術、教育、環境保護、文化などの分野で「双方向協力」を積極的に推進している。

ホフマン局長は、「毎年定期的に『バイエルン-中国 ビジネス対話』を開催し、企業と政府の間の『コミュニケーションプラットフォーム』を構築している。今後さらに多くの中国のパートナーのバイエルン州への投資を期待する」と述べた。(c)People’s Daily/AFPBB News