【10月28日 AFP】インドの首都ニューデリーで27日、数千人のヒンズー教徒が太陽に祈りをささげる祭り「チャートプジャ」の一環で、ヤムナ川で沐浴(もくよく)を行った。しかし、インドで最も神聖な川の一つとされるヤムナ川は深刻な汚染に苦しんでおり、政治的な対立も引き起こしている。

夕暮れ時、信者たちは沈む太陽に祈りをささげるため、茶色く濁った川の水に腰まで浸かり、太陽神スーリヤに祈りをささげた。しかし例年とは異なり、今年はヤムナ川の象徴ともなっていた厚い白い泡は見られなかった。

沐浴に訪れていたデビさん(35)は「汚れていても、今回は川のように感じる」と話し、「以前は汚い排水溝に入るような感じだった」と続けた。

ガンジス川の主要な支流であるヤムナ川では、深刻な汚染が続いている。

南デリーで2021年に行われた検査では、糞便由来の細菌のレベルが安全な基準を8800倍も超えていた。

今年初めに行われたデリー首都圏議会選挙では、ヤムナ川の汚染が主要な争点となり、川の浄化を公約の一つに掲げたナレンドラ・モディ首相率いるインド人民党(BJP)が勝利した。

今年のチャートプジャについて、デリー首都圏政府のレカ・グプタ首相は「政府の努力のおかげで、久しぶりにヤムナ川の岸辺で太陽を拝むことができる」と語った。

「今や水生生物も生息できる状態になっている。以前は蚊さえも生きられなかった」と記者団に対し述べた。

しかし、野党指導者らは浄化が「見せかけ」だと批判し、泡を消すために薬品が使われ、汚染の根本原因である未処理の下水や工業排水には対処できていないと指摘している。

今月初めに行われた水質分析では、糞便性細菌の数値は昨年より低下していたが、ほとんどの地点で安全とは言えない水準であることが示された。

それでも、祭りの参加者たちは気にする様子はなかった。

沐浴に訪れた人々からは「少なくとも水はきれいで、川岸もきれいだ」「何はともあれ、確かに以前よりは良くなっている。10年間ここに来ているが、違いは明らかだ」といった声が聞かれた。(c)AFP