北朝鮮、ロシア派兵を「英雄化」…戦闘偉勲記念館で「血盟」演出、政権の求心力強化狙う
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【10月28日 KOREA WAVE】北朝鮮がロシアに派兵した兵士らを顕彰する「海外軍事作戦戦闘偉勲記念館」の建設に着手した。これは単なる追悼を超え、北朝鮮がロシアとの軍事協力を正当化し、両国の関係を「血で結ばれた同盟」へと昇華させる象徴的な政治装置としての性格を帯びる。
朝鮮労働党機関紙・労働新聞は10月24日、記念館の起工式が23日に開かれ、キム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が出席したと報じた。記念館は、ロシア西部のクルスク州における軍事作戦に参加した朝鮮人民軍の「戦闘功績」を称える目的で設立される。
同紙は「血と命で築いた戦果は、主体的軍建設史と反帝革命闘争史に特記すべき勝利神話であり、北朝鮮・ロシア両国の不敗の関係を誇示するもの」とし、「両国の存立と繁栄の基礎に築かれた巨大な業績だ」と称賛した。
北朝鮮は2023年10月以降、ロシアのウクライナ侵攻に参戦したとされる派兵の事実を、約半年にわたり否定していた。しかし2025年4月、労働党中央軍事委員会名義で派兵を公式に認め、以後は戦死者を「国家的英雄」として称え始めた。
8月にはキム総書記自らが帰還兵と遺族に勲章を授与し、戦死者の棺を迎える姿を公開。今回の記念館建設は、これら一連の“英雄化”路線を制度化・恒久化する最終段階とみられる。
韓国政府関係者は「派兵を政権の正統性に繋げ、国内の結束を高める狙いがある」と分析。派兵が単なる軍事取引ではなく、ロシアとの「血盟」の証と位置づけられることで、国際的な非難をかわしつつ、兵士の士気を維持する意図も読み取れる。
起工式でキム総書記は「正義と不義の対立は激化し、支配と専横の挑戦は続くだろう。しかし、血戦の中で強固に団結した北朝鮮・ロシアの前進は止められない」と強調。「平壌は常にモスクワと共にあり、我々の友情と団結は永遠だ」と述べた。
さらに「北朝鮮とロシアの関係は、同じ塹壕で血を分かち合った信頼と絆に基づく」とし、両国関係を取引的な利害関係から、「生死を共にする最も真実で強固な不敗の関係」に昇華させると明言した。
キム総書記の発言は、1950年代の朝鮮戦争当時に築かれた中国との「血盟」関係を、現代のロシアとの関係に置き換える狙いがあるとみられる。
韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「キム総書記はロシアとの『血で結ばれた同盟』を、新たな国家正統性の柱としようとしている」と指摘。「70年前の中朝同盟を再現する形で、対外的にも国内的にも体制の支柱を固めたいのだろう」と語った。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News