SOOP(旧アフリカTV)の新ブランドロゴ=SOOP提供(c)news1
SOOP(旧アフリカTV)の新ブランドロゴ=SOOP提供(c)news1

【10月25日 KOREA WAVE】韓国のライブストリーミングプラットフォーム「SOOP」が、旧「アフリカTV」から名称を変更してから1年が経過した。この間、利用者数や市場シェアは減少傾向を見せた一方で、広告売り上げの急増が全体の収益拡大を牽引し、事業構造の転換が進んでいる。

アプリ統計分析サービス「モバイルインデックス」によると、SOOPの個人放送分野での市場シェアは、2024年10月の54.99%から2025年9月には48.48%へと約6.5ポイント減少した。月間アクティブユーザー(MAU)も同期間で30万人以上減少し、227万人にとどまった。

この傾向の背景には、ネイバーが運営する競合サービス「チジジク(CHZZK)」の急成長がある。2024年5月のサービス開始以降、チジジクのシェアは51.08%から58.97%に上昇、MAUも228万人から273万人に拡大した。

また、Netflixなどのオンライン動画サービス(OTT)の視聴時間が増加したことも、ライブ配信型プラットフォームの視聴者離れに拍車をかけたと分析されている。

SOOPの人気コンテンツのひとつである「エクセル放送」も影響を与えているとみられる。この形式の配信は、ストリーマー間での「星風船」(投げ銭)の数をエクセルシートのように表示して競争をあおるスタイルだが、利用者層の偏りやコンテンツの画一化が問題視されている。

韓国国会の科学技術情報放送通信委員会にSOOPが提出した資料によると、2025年1〜8月の「星風船」収益上位10人はすべてエクセル放送系のストリーマーで、トップは約2億6000万個を獲得。別風船1個あたりの収益が80ウォンとされているため、その収入は税前で約208億ウォン(約23億円)に達する見通しだ。

SOOPは同委員会に対し、「24時間体制・リアルタイムでモニタリングし、通報受付と有害情報遮断に対応している」と説明している。

一方、広告収益は大きく成長した。SOOPが8月に提出した半期報告書によると、2025年上半期の総売り上げは2245億3600万ウォンで、前年同期比287億ウォンの増加。このうち広告およびコンテンツ制作収益の割合は全体の23.5%に達し、前年の16.4%から7.1ポイント上昇した。

この成長の要因として、2025年3月に広告代理店「プレイディ(PlayD)」の株式70%を735億ウォンで買収した効果が挙げられる。SOOPはこの買収により、事業の多角化と広告分野の強化に乗り出した。

SOOPの関係者は「第2四半期の広告部門の売り上げは、コンテンツ型広告の好調な業績に加えてプレイディの連結効果により、前年同期比76%成長した」と説明し、「今後はAIを活用したパーソナライズド広告制作にも拡張し、広告効率の向上と新たな収益モデル確立を図っていく」と語った。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News