仁川税関は2025年4〜6月、中国系ECサイト(タオバオ、アリエクスプレスなど)を通じ韓国内に流入した偽造品約5万点を摘発。そのうち海外高級ブランド模倣品は1万890点、韓国ブランドを装った商品は1497点に上った(c)news1
仁川税関は2025年4〜6月、中国系ECサイト(タオバオ、アリエクスプレスなど)を通じ韓国内に流入した偽造品約5万点を摘発。そのうち海外高級ブランド模倣品は1万890点、韓国ブランドを装った商品は1497点に上った(c)news1

【10月24日 KOREA WAVE】韓国製品の人気拡大に伴い、外観では区別がつかない中国製の低品質コピー商品が大量に流入し、Kブランドの信頼と市場を脅かしている。特に中国のECプラットフォーム「アリババ系アリエクスプレス」「テム」「SHEIN(シーイン)」などを通じた違法流通が増加しており、韓国の中小企業に深刻な打撃を与えている。

中国国内で生産され、激安価格で販売されるこれらの模倣品に対し、実効的な取り締まり手段は乏しい。韓国政府は知的財産(IP)保護の観点から、小額輸入品に対する免税制度(150ドル以下の関税・付加価値税免除)の廃止を検討しているが、「安く買う権利を政府が奪うのか」とする世論を意識し、慎重な姿勢を崩せずにいる。

オ・セヒ議員(共に民主党)によると、2024年の韓国における海外通販(越境EC)取引額は約8兆ウォンに達し、2019年(2兆7000億ウォン)の3倍に増加。そのうち中国からの取引が60%以上を占める。経済協力開発機構(OECD)の調査では、中国製偽造品による韓国化粧品業界の損失額は年間約2936億ウォンに上ると試算されている。

オ・セヒ議員は中小ベンチャー企業省の国政監査で、中国製コピー品と韓国製オリジナル商品の写真を並べて提示し、「中国製は1159ウォン、韓国製は1万3800ウォン。価格差が12倍で競争にならない」と指摘。これに対し、ハン・ソンスク(韓聖淑)中小ベンチャー企業相は「外観では判別が難しい。被害対策を検討する」と応じた。

被害はKビューティーだけでなく、文化・観光関連商品にも広がっている。ペ・ヒョンジン議員(国民の力)は、国立中央博物館の文化商品ブランド「ミュージアムグッズ(MUSE)」が中国通販サイトでコピー販売されていると指摘。「韓国の瓦屋根や丹青(伝統彩色)を模したデザイン商品までが二束三文で売られている」と批判した。

中小企業中央会の調査では、韓国の中小企業の96.7%が中国系EC拡大による被害を経験し、79%が「事実上対応を放棄した」と回答。低価格競争だけでなく、正規品との混同や品質への信頼低下も深刻だという。

こうした状況を踏まえ、韓国政府内では「中国発の低価格直輸入品に課税すべきだ」との意見が台頭している。現在、韓国は150ドル以下の輸入品に関税と付加価値税を免除しているが、企画財政省を中心に「中国産に限定して免税廃止または基準引き下げ」を検討中とされる。

すでに主要国は中国製品への優遇を撤廃する方向に舵を切っている。米国は2025年8月から800ドル以下の免税制度を廃止し、中国製品に平均30%の関税を課している。欧州連合(EU)も2028年から150ユーロ以下の直輸入品に課税を導入予定。オーストラリアは既に1000豪ドル以下の輸入品に10%の付加価値税を適用している。

一方で、韓国政府は世論の反発を懸念している。2024年には同様の制度改正を試みたが、「海外通販愛好層」特にMZ世代の強い反発でわずか3日で撤回された経緯がある。政府関係者は「複数の省庁が関わる問題で主導部署も定まっていない。再び反発を招けば推進が難しい」と語った。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News