【三里河中国経済観察】新疆の交通革命――西への開放に新たな章を刻む
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【10月27日 CNS】新疆交通投資独庫高速公司は9月17日、新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)北部のクイトゥン市(Kuytun)から天山を越えて南部のクチャ市(Kuqa)へと至る「G3033奎屯―独山子―庫車高速道路」の環境影響評価報告書が承認されたと発表した。
天山山脈を貫くもう一つの大型プロジェクトが、いよいよ動き出す。
天山を越える挑戦は、これが初めてではない。
2024年12月30日には、天山勝利トンネルが全線貫通した。開通後は、これまで新疆の南北を隔てていた険しい天山山脈を、わずか20分ほどで通り抜けることができるようになる。
天山の奥深くは、今や中国のインフラ建設の「最前線の試験場」となっている。
新中国成立当初、新疆の道路総延長はわずか3361キロだった。これは、現在の距離で言えば新疆ウイグル自治区ウルムチ市(Urumqi)から甘粛省(Gansu)の蘭州市(Lanzhou)までの往復に相当する。当時は舗装道路がほとんどなく、「公路」と呼ばれていたのは簡易な土の道ばかりで、天候が悪化すればすぐに通行不能になった。
今では新疆を訪れた人の多くが、その近代的な交通インフラに驚かされる。2024年末の時点で、新疆の道路総延長は23万キロを超え、建国初期の約70倍に増えた。この距離をつなぎ合わせれば、地球の赤道をおよそ6周できる計算になる。
現在、新疆のすべての地級市と州が高速道路時代に入り、166万平方キロに及ぶ広大な土地に、近代的な道路網が縦横に張り巡らされている。
道路の飛躍的な発展の背景には、技術革新の積み重ねがある。砂漠道路の防砂技術から、天山トンネルの凍結膨張対策設計まで、新疆の道路建設は数々の世界的難題を克服してきた。
タクラマカン砂漠を横断する砂漠道路では、「草方格(グリッド状の草枠)」による防砂工法を導入し、動く砂丘の中でも道路を安定させている。天山を貫くG217独庫公路では「スマートセントリー(知能哨兵)」システムが稼働し、通年で安全な走行を支えている。
道路が血管だとすれば、鉄道と航空は動脈と翼にあたる。新疆には現在28の民用空港があり、その数は全国でも上位に入り、東部沿海の多くの省を上回る。
鉄道網も新疆の発展を支える大きな力になっている。鉄道の営業距離は9557キロを超え、自治区内の県級行政区域の8割以上を網羅している。蘭新高速鉄道はウルムチを全国の「八縦八横」高速鉄道ネットワークに組み込み、和田―若羌鉄道はタクラマカン砂漠を南北に結ぶ環状ルートを形成。格庫鉄道は新疆へ出入りする第三の幹線ルートとなった。
こうした「鉄の動脈」が、新疆を交通の周縁からユーラシア大陸のハブへと変えた。
交通の劇的な変化は、新疆の経済地図も塗り替えている。かつて天山によって分断されていた北疆と南疆はいま「5時間経済圏」として結びつき、砂漠の縁に点在していた都市も、産業連携のネットワークとしてつながり始めている。
新疆のアクス地区で朝に収穫されたリンゴは、夕方にはウルムチのスーパーに並び、パミール高原のヤク肉も航空便で翌日には上海市のレストランに届けられる。
2024年の統計によると、新疆の鉄道貨物輸送量は2億3700万トンで前年比10.6%増。阿拉山口、ホルゴスの両国際ルートを経由する中欧(中亜)班列は1万6414本に達し、前年より14%増えた。
新疆では交通インフラへの投資もさらに拡大している。2025年には道路交通投資額が800億元(約1兆6944億円)に達し、前年比13.5%の増加が見込まれている。
今年は新疆ウイグル自治区の成立70周年にあたる。その発展の裏には、国家戦略による強力な支援がある。
シルクロード経済ベルトの中核地域として、新疆は「陸と海を結び、国内外をつなぎ、東西が補い合う」開放的な仕組みづくりを進めている。地域交通の一体化を通じて経済の一体化を促進し、中国・キルギス・ウズベキスタン鉄道や中パ経済回廊などの国際プロジェクトも着実に進んでいる。
自治区の首府ウルムチは、「国際的な総合交通ハブ」としての位置づけが明確になり、中央アジア・西アジアとの交流拠点、さらには国際商業・物流センターとしての発展が期待されている。
「山を迂回する道」から「山を貫く道」へ――新疆はこの70年で、ユーラシアを結ぶ交通の大動脈を築き上げた。
アクセルの先につながるのは、もはや険しい山道ではない。天山を越えて南北を結ぶ豊かさへの道となった今、国土の6分の1を占めるこの広大な地は、かつてない変貌を遂げつつある。(c)CNS-三里河中国経済観察/JCM/AFPBB News