中露の狭間からベトナムへ…北朝鮮・金正恩総書記が「第4の軸」外交
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【10月22日 KOREA WAVE】北朝鮮が中国とロシアという二大後ろ盾の間で、新たな外交的均衡軸としてベトナムを引き寄せる動きを見せているとの分析が出ている。
米国の北朝鮮専門メディア「38ノース」は、10月9~10日に平壌で開かれた朝鮮労働党創建80周年記念行事で明らかになった「儀典上の序列」に注目した。北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の左側に中国の李強首相ではなく、ベトナムの最高権力者トー・ラム共産党書記長が立ったことは、北朝鮮外交の変化を象徴する光景だと分析した。アジアでは主賓の左側が儀典上の上席とされる。
李強首相は行事を通じてキム総書記の右側に立ち、ロシアのメドベージェフ国家安全保障会議副議長はトー・ラム書記長の隣に位置した。事実上、ベトナムが「第一外賓」として扱われた形だ。
38ノースは、キム総書記がベトナムを北朝鮮外交の「第4のパートナー(fourth-partner diplomacy)」として位置づけたとみている。中露という後見勢力にのみ依存せず、外交的自律性を確保しつつ政権の生存余地を広げようとする試みだという。
キム総書記はここ数年、プーチン露大統領と習近平中国国家主席の支持を背景に「北朝鮮式多角外交」を進めてきた。今回の外賓配置はその「均衡外交」が必ずしも中露依存だけではないことを示しているといえる。
38ノースは「ベトナムは『社会主義が世界の市場秩序の中でも生き残れる』ことを体現する国だ」と指摘し、北朝鮮が今後、国家発展のモデルとしてベトナムを参考にする可能性があると分析した。
同メディアはまた「北朝鮮は1990年代の飢饉を経て中国に依存し、2020年代にはウクライナ戦争を通じてロシアと結びついた。一方、ベトナムは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟や米国との防衛協定締結を実現しながらも、共産党一党体制を維持している。北朝鮮が目指すのはまさにこのようなバランスだ」と述べた。
北朝鮮がベトナムを厚遇した背景には、社会主義体制を維持しつつ市場経済を導入して急成長した「ドイモイ(刷新)政策」を模範とみなしている側面もあると38ノースは指摘する。
総じて今回の動きは、孤立の中でも自律的な外交空間を模索する北朝鮮外交の変化を示している。トー・ラム書記長は党創建記念行事出席だけでなく、国防・経済協力協定にも署名したことが確認されており、これは中国とロシアが北朝鮮を完全に掌握できないというシグナルでもある。
38ノースは「中国とロシアは、キム総書記がベトナムの賓客を上座に置く姿を見て複雑な心境だっただろう。ワシントンもまた、平壌が“新しい友人”を求めているという事実に注目しているはずだ」と結んだ。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News