【10月21日 AFP】日本初の女性首相に高市早苗氏が就任したことを受け、中国、韓国、欧州連合(EU)がコメントを発表した。

中国政府は21日、高市氏の首相就任を受け、日中関係を「前進させたい」との考えを示した。中国外務省の郭嘉昆報道官は「高市氏の首相就任に注目している」と述べつつ、日本国内の事情として尊重する姿勢を示した。一方で「歴史問題や台湾を含む重要課題に関する政治的責任」を果たすよう求めた。

韓国の李在雄(イ・ジェウン)外務省報道官は「新内閣と緊密に協力し、両国関係の好機を維持していく」と述べ、両国の協力関係の継続に前向きな姿勢を示した。

EUのウルズラ・フォンデアライエン委員長も高市氏に祝意を表し、「日本初の女性首相として歴史を刻んだ。EUと日本の独自のパートナーシップを次のレベルへ発展させ、共同の競争力と安全保障に貢献していきたい」と述べた。

各国・地域は高市氏の外交方針に注目しつつ、日中関係や日韓関係、EUとの協力強化に期待を示している。

高市氏は、英元首相マーガレット・サッチャー氏を敬愛する保守派で、防衛と経済安全保障に重点を置く。経済安全保障担当相を2回務め、これまで中国によるアジア太平洋地域での軍事拡大を声高に批判してきた。

初の女性首相誕生について、東京大学名誉教授の川人貞史氏はAFPに「女性の政治参加にとって一歩前進」と述べた。ただし、高市氏はジェンダー問題に保守的な立場で、夫婦別姓の問題が任期中に解決する可能性は低いと指摘している。(c)AFP