文化遺産「成北洞別墅」内にある木造建築「松石亭」で発生した火災を消火する消防当局(c)news1
文化遺産「成北洞別墅」内にある木造建築「松石亭」で発生した火災を消火する消防当局(c)news1

【10月17日 KOREA WAVE】ソウル市城北区の文化遺産「成北洞別墅(ソンブクドン・ビョルソ)」内の木造建築「松石亭(ソンソクジョン)」で6月30日に発生した火災の原因が、ついに「不明」と結論づけられた。消防と警察が合同で調査したものの、建物の崩壊や現場の損壊により火災の発火源を特定できなかった。

現場調査報告書によると、消火の過程で重機が投入され屋根の一部が撤去された結果、建物の3分の1以上が崩壊し、現場保存が不可能な状態となった。報告書には「証拠物と現場の保存が損なわれ、不可抗力により火災原因の調査は不可能」と明記されている。

調査では、松石亭内部に自動消火設備が設置されていなかったこと、さらに周辺の防犯カメラが作動していなかったことが確認された。文化遺産としての防火体制が極めて不十分だったと指摘されている。

調査団は不注意による失火、故意による放火、電気的要因などあらゆる可能性を検討したが、決定的な証拠は得られなかった。城北区庁に道路沿いの防犯カメラ映像の提供を求めたが、通信網が未接続で映像の確認は不可能だった。

また、火災当時現場にいた清掃管理人は「喫煙しない」と証言しており、たばこの火による失火の可能性も排除された。屋根解体時に発火室が崩壊していたため、吸い殻などの痕跡も確認できなかった。

電気的要因も明確ではなかった。発火源とみられる倉庫内の家電製品の配線から短絡痕が見つかったが、これが出火原因の「第一次短絡痕」と断定するには至らなかった。倉庫ではリチウムイオン電池やエアコン、テレビなどが全焼しており、電源状態を確認できなかったため、これも火元とは言い切れなかった。

消防当局は約4時間で鎮火させたが、松石亭は半焼し、家具や調度品の約6割が焼失、被害額は約1億5900万ウォンに上った。火の勢いが早かったのは、建物が韓屋構造の木造建築で、火災感知器やスプリンクラーといった基本的な消火設備すら備わっていなかったためだ。

報告書によると、松石亭は木材や韓紙、土壁など可燃性の高い素材で仕上げられていた。内部には火災感知器やスプリンクラーがなく、手動式消火器のみが設置されていた。周辺の消火施設も電源が接続されておらず、作動しなかった。

文化財の場合、スプリンクラー設置などに伴う構造の損傷を懸念して設備導入が難しいのは事実だ。しかし、専門家は「最低限の防火対策は不可欠」と強調する。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News