【10月23日  People’s Daily】3羽の兎が互いに追いかけ合い、2羽ごとに一つの耳を共有し、頭と尾がつながって独特の造形を成している。この「三兎共耳(三兎が耳を共にする)」と呼ばれる文様は、甘粛省(Gansu)の有名な敦煌市(Dunhuang)莫高窟(ばっこうくつ、Mogao Caves)の壁画に登場するだけでなく、シルクロードを通じてアフガニスタンの金属皿にも跳び移り、エジプトの陶器にも溶け込み、イギリスのタイル画の中にも入り込んでいる。

先ごろ開催された「第4回文明交流・相互理解対話会」では、中国内外の青年たちがこのテーマで展示を行い、会の出席者たちの文化的な共感を呼んだ。

古代都市「敦煌」に由来するこの不思議な文様は、シルクロードの繁栄の歴史を静かに物語るとともに、今日の文明交流の時代に新たな一章をつづり出している。現在「デジタル敦煌」が世界に公開され、敦煌芸術展が海外で開催されている。「莫高窟」の保護方法が海外で参考にされ、国際的な敦煌学研究が活発化し、ますます多くの人びとが敦煌文化の保護、研究、振興に参加するようになり、千年の至宝が世界中の人びとに、より多くの文化的な啓発をもたらしている。

「三兎共耳」を含む敦煌文化は、中華文明が他の文明と交流し融合した生きた証である。莫高窟に見られる古代ギリシャのイオニア式柱頭、壁画に溶け込んでいる古代の南アジアの王国ガンダーラ様式や古代インド北部の王朝のグプタ様式などの神像は、中華民族の開放性と包容力に満ちた宏大な気宇(きう)を物語っている。

敦煌文献には、ペルシャ、ソグド、インドなどから来た商人、僧侶、文人たちが「中国での足跡」として平和的な交流を行った証を記している。敦煌が「華人と異民族が交わる一大都市」となったことは、中華文明が卓越した包容性と平和性を持っていたことを力強く示している。かつての商人たちの往来と現在の交流協力、この敦煌をめぐって展開される長編の物語は、今も書き継がれており、そこに映し出される中華文明の特質は、時代を超えて今も色あせない。
 
■古い国に新たな使命、古い道に新たな旅路

今や、轟音を立てる鋼鉄の長竜(列車)がラクダの隊商の鈴の音に取って代わり、巨大な船の往来が帆船の群れを再現し、「空のシルクロード」が協力の新たな架け橋を築いている。中国は150以上の国々と共に「一帯一路(Belt and Road)」建設に携わり、いにしえのシルクロードに新たな息吹を与えている。

中国の外交理念は、「和すれば強く、孤ならば弱し」の知恵を継承し、「大道を行えば天下は公となる」の胸襟を示し、「信を講じ、睦を修め、仁に親しみ、鄰に善をなす」という気風をひろめている。

■文明は交流と相互の学びによってのみ、互いに輝きを増す

「三兎共耳」の文様は、その構図は各国とも類似はしているものの、国によって異なる面貌を呈している。莫高窟第407窟の天井にある「三兎共耳」文様は、飛天や蓮の花と互いに引き立て合い、軽快で生命力に満ちあふれている。
一方、ドイツの「パーダーボルン大聖堂」のステンドグラスにある「三羽の兎」は、ゴシック芸術の独特な風格を帯びている。まさに交流と相互学習の中で、「三兎共耳」は異なる光彩を放っているのだ。今日、共通の課題に立ち向かい、より良い未来へ向かうためには、とりわけ文化の導きと滋養、そして文明の交流と相互理解によって平和的な発展に向けた積極的な正の力を結集することが必要なのである。

■「三兎共耳」だけでなく、一粒のザクロが運命共同体を象徴となり、友好往来の証となっている

2000年以上前、漢の張騫(Zhang Qian)の「西域開拓の旅」の後に、ザクロは中国に伝来した。そして今日、西安市(Xi'an)の「中国・中央アジア友好の森」に植えられた団結を象徴する6本のザクロの木は、青々と茂り、花を咲かせ、実を結んでいる。

歴史に耳を傾け、理解し合う心をより近づけ、文化を継承し、協力し合う手をより固く結び合わせよう。シルクロードの調べがこれからも響き渡り、友情の樹が常緑であり続け、文明の花が咲き誇り、幸福の実が枝いっぱいに実ることを願って。(c)People’s Daily /AFPBB News