【10月15日 AFP】国連の世界食糧計画(WFP)は15日、「途方もない」資金削減が、現在食糧援助を受けている世界の最大1370万人を「人道的危機(IPCフェーズ4)」レベルの飢餓に追い込む恐れがあると警告した。これは飢きん(IPCフェーズ5)の一歩手前の状態にあたる。

WFPは、アフガニスタン、コンゴ民主共和国(DRC)、ハイチ、ソマリア、南スーダン、スーダンの6か国・地域での主要活動が「現在、重大な混乱に直面しており、年末までにさらに悪化する可能性がある」と指摘した。

伊ローマに拠点を置く同機関は新たな報告書で、「2024年の98億ドルに対し、WFPの資金は40%減の64億ドルとなる見通し」と述べた。

さらに「前線地域からパートナーが撤退し、支援の空白が生じる中で、人道支援システムは深刻な圧力にさらされている」としている。

資金削減の影響について特定の国名は挙げなかったが、米国の支援削減が大きな影響を与えているとするランセット医学誌の報告に言及した。

米国大統領ドナルド・トランプは1月の就任後、対外援助を大幅に削減し、世界の人道支援活動に大きな打撃を与えた。

報告書では、食料不安を測る5段階の世界標準「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」に基づき、フェーズ5の人々への命を救う支援が危機的状況にあり、「将来の問題への備えも大幅に低下している」と指摘した。

また、世界で急性食料不安(フェーズ3)にある1050万~1370万人が、人道的危機(フェーズ4)に追い込まれる恐れがあるともしている。(c)AFP