【10月15日 AFP】インドの野生ゾウの推定個体数が4分の1に減少したことが今週、政府の新しいDNAシステムを取り入れた調査で明らかになった。これはこれまでで最も正確なデータだが、その結果は厳しい現実を示すものとなった。

インドには、野生のアジアゾウの大部分が生息している。この種は国際自然保護連合(IUCN)によって絶滅危惧種 (EN)に指定されており、縮小する生息地によってますます脅かされている。

インドの野生生物研究所が今週発表した、ゾウの推定個体数に関する報告書「All-India Elephant Estimation」によると、同国の野生ゾウの個体数は、2万2446頭とされ、2017年の2万9964頭から約25%減少したことが明らかになった。

調査は、2万1000を超える糞の遺伝子分析に加え、カメラトラップの広範なネットワークと、延べ66万7000キロに及ぶ徒歩調査に基づいて実施された。

ただし研究者らは、調査手法の見直しにより「過去の数値とは比較できず、新たなモニタリングの基準として扱うべきだ」と説明している。

報告書はまた、「現在のゾウの生息域は、かつての生息範囲のごく一部に過ぎず、現在はその約3.5%しか残っていない」と指摘。個体数減少の要因として、生息地の喪失や分断、そして人とゾウの接触の増加を挙げた。

「感電や鉄道との衝突はゾウの死因の大きな要素となっており、鉱業や高速道路の建設が生息地を分断し、人と野生動物との接触を増加させている」とも警告している。(c)AFP