南シナ海でフィリピン船に中国船が衝突、両国が非難の応酬
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【10月13日 AFP】フィリピン当局は12日、中国と領有権を争う南シナ海の南沙諸島パグアサ島付近で、中国の船舶が故意に同国政府の船に衝突したと発表した。一方、中国側はこの一件の責任はフィリピンにあると主張している。
フィリピン沿岸警備隊によれば、12日午前9時15分(日本時間同日午前10時15分)、中国の海警船が漁業水産資源局の船に対して「放水銃を発射」したという。
沿岸警備隊は声明で「そのわずか3分後、同じ中国船がフィリピン船の船尾に故意に衝突し、構造に軽微な損傷を与えたが、乗組員にけがはなかった」と述べた。
フィリピン国家海事評議会は、「中国による攻撃的かつ違法な行為に対する強い抗議を伝えるため、適切な外交措置を講じる」と非難の声を上げている。
一方で中国海警局は、フィリピン船が「中国側からの繰り返しの厳重な警告を無視し、中国の船に危険な接近をした」後に事件が発生したとし、「全責任はフィリピン側にある」と述べている。
この係争海域では両国の船による衝突が頻発している。中国は南シナ海のほぼ全域を自国領海と主張しているが、国際的な裁定ではその主張に根拠はないとされている。(c)AFP