フランスの死刑廃止立役者、殿堂入り 墓にはアンチによる落書きも
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【10月10日 AFP】1981年にフランスで死刑を廃止したロベール・バダンテール元法相が9日、パリにあるフランスの国家的偉人の殿堂パンテオンに祭られた。数時間前にはバタンデール氏の墓にアンチによる落書きが見つかった。
バタンデール氏は、1970年代に弁護士として担当した被告人の一人が死刑判決を受けギロチンで処刑されたのを受け、死刑廃止運動に取り組んだ。2024年に95歳で死去した。
同氏の功績には、1982年に同性愛を非犯罪化する法律を制定したことも含まれる。
遺体はパリ郊外の墓地に安置されるが、フランス国旗で覆われた象徴的なひつぎが、万雷の拍手の中、セーヌ川左岸にあるパンテオンに運び込まれた。
バタンデール氏の妻がTF1テレビに語ったところによると、ひつぎの中には、弁護士のローブ、死刑反対の演説原稿、数冊の著書が入っている。
エマニュエル・マクロン大統領はパンテオンで、バダンデール氏の声は後世に語り継がれるだろうと述べた。
「彼がパンテオンに入ると、偉大で、不可欠で、そして未完の闘いを訴える彼の声が聞こえてくる」と述べ、「死刑の全世界的廃止」、反ユダヤ主義との闘い、そして法の支配の維持といった課題に言及し、「これらは時代を超える大義だ」と付け加えた。
フランスでは、1789年のフランス革命の時代から死刑が廃止されるまで、ギロチンによる斬首刑が執行されていた。
物静かな弁護士だったバタンデール氏は、フランス国民の大半がまだ死刑を支持していた時代に、死刑を禁止する法律を成立させたことで、広く非難された。
晩年は、その誠実さと政治家としての手腕を称賛された。
だが、地元当局によると、9日朝、バタンデール氏の墓に落書きが見つかった。
墓石には青い文字で「永遠の感謝を。殺人犯、小児性愛者、レイプ犯より」と書かれていた。
マクロン氏は即座に反応し、「彼の記憶を汚そうとした者たちは恥を知れ」とX(旧ツイッター)に投稿した。(c)AFP