「マデリン本人」と主張の女性、英で裁判 両親にストーカー行為か
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【10月7日 AFP】ポルトガルで2007年、英国人女児マデリン・マクカーンちゃん(当時3)が行方不明になった事件で6日、自身がマデリン本人だと主張していたポーランド人の女の裁判が英国の裁判所で始まった。被告は両親に対するストーカー行為の罪に問われている。
ジュリア・ワンデルト被告(24)は、2022年6月から2025年2月までの間に、マデリンちゃんの両親ケイトさんとジェリーさんに対し、執拗なメールや電話を繰り返し、深刻な不安と苦痛を与えたとされているが、起訴内容を否認している。
検察のマイケル・ダック氏は、マデリンちゃんの幼少期や失踪に関する記憶があると主張するワンデルト被告について、「両親との血縁関係を否定する明確な科学的証拠がある」と述べ、「裁判の初期段階でこの点を明確にしておきたい。ジュリア・ワンデルト被告はマデリン・マクカーン本人ではない」と冒頭陳述で語った。
ダック氏はまた、失踪当時ワンデルト被告の年齢はマデリンちゃんとは一致していなかったと指摘。さらに2022年6月以降、「聞く耳を持つ誰に対しても」自分が失踪したマデリン本人だと説得しようとしていたと述べた。被告は、自分は誘拐されポーランドに連れて行かれたと主張していたという。
法廷では、被告が1日に60回もマデリンちゃんの母親に電話をかけていたことが明らかにされた他、マデリンちゃんの妹に「加工した」画像を送り、自身が親族であると信じ込ませようとしたとも指摘された。
検察によると、ワンデルト被告は過去にも、ドイツや米ユタ州で失踪した別の失踪児を名乗ったことがあるという。
ダック氏は「マデリンちゃんの両親ケイトさんとジェリーさんにとって悲劇的な結果の一つは、事件以降も常に報道の注目から逃れられないことだ」と述べ、「今もなお両親の苦境を理解せず、陰謀論を広め続ける人々がいる」と批判した。(c)AFP