中国独自開発航空機C909、より高く、より遠くへ
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【10月17日 People’s Daily】中国が国際的な航空機耐空性基準に基づき独自に開発し、「全面的自国開発の知的財産権」を有する中短距離新型ターボファン支線用旅客機「ARJ21」(後のC909)は、2016年6月28日に就航した。その後24年11月に、開発企業「中国商用飛机(COMAC)」が「ARJ21」に商業名称「C909」を追加すると発表した。
就航から9年間で、C909は路線ネットワークを拡大し続け、規模の拡大とシリーズ化を加速させ、これまでに計166機が市場に納入された。延べ700余りの路線で運航され、旅客輸送数は延べ2400万人を超えている。中国の民間航空機分野における先駆者として、C909は国産ジェット機の商業運航における「0から1への」ブレークスルーを実現した。
「中国商用飛机」のチーフエンジニアでC909シリーズの主任設計者の陳勇(Chen Yong)氏は、02年のプロジェクト発足以来、C909が国産民間航空機の技術チェーンとサプライチェーンを確立するという重要な使命を担ってきたと説明する。
陳氏は「国産商用航空機の開発と産業体系をいかに構築するか? C909を通じて、我々は『無から有を生む』という課題を解決し、現在は製品の競争力向上に向けて着実に前進し、良好な成果が上がっている」と話している。
新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)では22機のC909が導入され、累計120以上の路線を開設し、延べ130万人以上の旅客を安全に輸送した。黒竜江省(Heilongjiang)では、C909がハルビン市(Harbin)をハブとして、東北地域内外の32の空港を結んでいる。また成都航空(Chengdu Airlines)のC909は1機から30機に増加し、累計開設路線も1路線から360路線以上に拡大した。
「中国の民間航空機の発展にとって、C909の最大の貢献は、第一に、ジェット旅客機の開発技術を体系的に確立し、国際的な耐空性基準に適合させたことだ。第二に、C909は機体と運航の両面で、開発から運用・整備に至るまでの全ライフサイクルにわたる体系的なシリーズ化を実現し、中国の大型旅客機開発の道を切り開いた」、陳氏はこのように評価している。
昨年7月には、C909がカシュガル空港(Kashgar Laining International Airport)からタシュクルガン・タジク自治県の「タシュクルガン・クンジュラブ空港」(Tashkurgan Khunjerab Airport)に向け初フライトを行い、C909の高度高原路線の就航に成功した。陳氏の説明によれば、高度高原路線は空気が希薄で気温変化が激しいため、C909に改良を加え、始動性能の高さと優れた操縦性を実現した。
C909は23年4月18日、「千の島の国」インドネシアでの就航に成功し、島々を結ぶ支線の路線を開設、さらに国際幹線路線へと拡大した。
インドネシアのトランスヌサ航空(TransNusa)が運航するC909は、ジャカルタとメナドを拠点とし、そのうちメナド~広州線は、飛行距離2700キロメートル以上で、現在C909が運航する最長の商業路線である。
陳氏は「『走出去(海外進出)』政策を通じて、C909は新たな運航シナリオを開拓し、国際民間航空市場に貢献している」と話す。
同時に、C909は国産旅客機の新たなビジネスモデルも模索している。今年4月12日、「中国商用飛机」がラオス航空(Lao Airlines)に「ドライリース」(機体のみのリースで、乗務員や部品は含まない)したC909が、初の商業運航を行った。その後C909はラオスで頻度の高い運航を開始し、主に首都ヴィエンチャンと南部の経済拠点パクセーを結ぶ路線を運航している。現在、C909の1日当たりの最大運航区間数は8区間に達している。
今年4月19日には、成都航空(Chengdu Airlines)がベトナムのベトジェットエア(VietJet Air)に「ウェットリース」(乗務員、整備などのサービスを含む航空機リース)した2機のC909が、同時に商業運航を開始した。現在、C909は毎日ベトナムの首都ハノイと最大の経済都市ホーチミンからコンダオ島への路線を運航している。コンダオ空港の滑走路長は1800メートル余りしかなく、両端が海に面しているため、C909の短い滑走路の運用能力と、東南アジアの湿潤な環境への適応能力が十分に実証された。
現在までに、インドネシアのトランスヌサ航空、ラオス航空、ベトナムのベトジェットエアの3社が東南アジア地域で計7機のC909を運航している。この3社は15路線を開設し、18都市を結び、延べ37万人を超える旅客を運んでいる。
機種のシリーズ化は民間航空機産業の重要な特徴だ。現在、C909には貨物機、緊急救援指揮機、医療機、ビジネスジェットの4種類の派生機種が存在する。シリーズ化を通じて、C909は機種の多様化を実現し、さまざまな市場の需要を最大限に満たしている。
陳氏は「C909を開発すると同時に、民間用ジェット旅客機の設計規範、試験規範を策定し、1万項目以上の規範を包含する標準体系を構築した」と話す。「優れた飛行機は、製造するだけでなく、飛行することによって完成される。ここ数年、C909は運航する中で絶えず改良が重ねられ、大小1000項目以上の設計最適化が行われた。性能、乗務員の操作スキル、客室の快適性が継続的に向上している」と強調した。
「現在C909は適切な運用シナリオを初步的に確立出来ている。今後さらに高く遠くへ飛翔すると期待している」、陳氏は主任設計者としてのC909への思いをこう語った。(c)People’s Daily /AFPBB News