一枚の「QRコード」が物語るスマート製造への変革
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【10月13日 People’s Daily】工業用インターネットは、新型工業化を支える重要な基盤インフラである。近年、遼寧省(Liaoning)瀋陽市(Shenyang)は、工業用インターネットの応用シナリオの充実を進め、デジタル経済と実体経済の深い融合による発展を推進し、製造業の転換と高度化において顕著な成果を収めている。
3メートル以上もある大きな工作機械に貼られた小さなQRコード1枚が、設備の総合利用率を約40%も向上させている。
地元の情報技術サービス企業「遼寧数能科技発展(Shuneng Science and Technology)」の陳石(Chen Shi)総経理が「このQRコードは工業用インターネット識別子で、設備の『身分証明書』に相当する」と言いつつ、スマホでそのコードを読み取ると、設備のパラメータや稼働データなどの情報が一目瞭然となった。
同社は、工業用インターネット識別子に基づく設備の「予測的保守管理システム」を開発し、瀋陽の冷凍設備メーカーの1300台の工作機械にQRコードをひも付けした。そのシステムによって、これらの機械の全ライフサイクルにわたる管理が実現し、稼働データを分析し潜在的な故障を予測することで、設備の効率を大幅に向上させた。
瀋陽市工業・情報化局の関係者は「瀋陽では企業の工業用インターネット識別子への理解が深まり、応用もより柔軟になっている」と話す。現在、同市では工業用インターネット識別子解析の「二次ノード(二次配信拠点)」を14ヵ所構築し、研究開発・設計、生産製造、運営管理などの工程をカバーしている。全市の累計識別子登録数は8億5000万個、累計識別子解析数は3億2000万回に達し、累計接続企業ノード数は4584社に達している。
「三一集団(SANY)」に属す採炭用大型機械メーカー「三一重型裝備」の瀋陽工場にある溶接・組立ラインでは、数十台のロボットが行き交い、材料を迅速かつ正確に作業台に配送している。切断ラインでは、鋼材の搬入、切断、仕分けから成形まで、コンピューター数値制御(CNC)切断機などの設備が全面自動化生産を実現し、生産能力は105%向上し、年間で1000万元(約2億920万円)以上のコスト削減を達成した。
同社のデジタル知能化担当ディレクターの史鵬飛(Shi Pengfei)氏は「設備以外にも、水、電気、油、ガスなどのエネルギー要素も同様にスマート管理が実現し、売上額1万元(約20万9200円)当たりのエネルギー消費量は42%減少した。工業用インターネットプラットフォームを活用し、全ての要素のデータ連携とプロセスの統合を行うことで、わが社はスマート製造、スマートオペレーション、スマート製品生産という3つの方向へと発展している」と説明した。
裝備製造だけでなく、石油化学、自動車部品、バイオ医薬、ロボットなどの産業でも、瀋陽の工業用インターネットの応用シナリオは多岐にわたり、設計のプラットフォーム化、スマート製造、ネットワーク協業・連携、個別カスタマイズ、サービス拡張、デジタル管理などの典型的な応用モデルが形成され、製造業のさらに一歩踏み込んだ転換と高度化を支援している。
「中国工業インターネット研究院・遼寧分院」の馬咸(Ma Xian)院長は「瀋陽市は産業のデジタル化において明らかな強みを持ち、省レベルの工業用インターネットプラットフォームを32社も擁している。我々は『遼寧遼河実験室』などと連携し、『製造業デジタル化転換イノベーションセンター』を設立し、瀋陽市の製造業がデジタル化とグリーン化の協調的な改造を継続的に強化するのを支援している」と述べた。
クラウドプラットフォームを開発し、伝統企业のデジタル化転換をサービスとして支えることも、多くの企業の発展方向となっている。ソフトウェア開発と情報技術サービスを手掛ける「瀋陽安新自動化制御」では、張秋実(Zhang Qiushi)総経理がスマホの画面を数回タップするだけで、10メートル離れたファンが勢いよく風を送り出し、スマホ調節で風力もそれに応じて変化する。
張氏は「わが社が独自開発した工業用インターネットプラットフォームは、遠隔管理指令を『クラウド制御キャビネット』に送達し、工場内の設備を遠隔制御することができる。従来の現場での調節、操作に代わり、効率と反応速度の大幅向上を実現した」と説明する。
関係者の話によると、同社は2016年から工業用インターネット分野への転身を図り、これまでにデジタル化転換サービスを提供した企業は累計200社を超え、年間生産額は5000万元(約10億4600万円)を超えているという。
23年、瀋陽市は全国初の「中小企業デジタル化転換モデル都市」に指定された。これを契機に、市は中小企業向けの「デジタル化転換普及行動」を全面的に実施し、これまでに1504社の中小企業に対してデジタル化評価診断を実施している。
また、「製造業デジタル変革公共サービスプラットフォーム」を構築し、848社の企業登録を完了させ、125社のデジタル化サービスプロバイダーを募集し、選定した。(c)People’s Daily /AFPBB News