【10月6日 AFP】英イングランド南部のモスクで週末、放火とみられる事件が発生し、警察は5日、「憎悪犯罪」として捜査していることを明らかにした。英国では先週、ユダヤ教会堂が襲撃され、2人が死亡する事件が起きていた。

警察は4日夜、南部沿岸の町ピースヘイブンにあるモスクへの放火の通報を受け、現場に急行した。負傷者はいなかったが、モスクの正面入り口と外に駐車していた車両が損傷した。

サセックス警察は、暗い服を着た覆面姿の2人組の写真を公開し、容疑者の特定に向けて市民に協力を呼びかけた。

担当捜査官は、この火災を「無謀で恐ろしい攻撃だ」と非難し、「生命を危険にさらす意図を持った放火として捜査している。実行犯の特定に向け、複数の捜査線を追っている」と述べた。

マンチェスター北部では先週、シナゴーグ(ユダヤ教の会堂)襲撃事件が発生し、2人が死亡、3人が重傷を負ったばかり。警察はイスラム過激主義との関連の可能性を指摘している。

ピースヘイブンのモスクの広報担当者は「誰も負傷しなかったことに深く感謝している」と述べ、「分断を拒み、憎しみに対して団結と思いやりで応じよう」と呼びかけた。

シャバナ・マフムード内相は「英国のムスリムに対する攻撃は、すべての英国人、そしてこの国そのものに対する攻撃だ」とSNSで述べ、「今回の事件は極めて憂慮すべきものだ」と強調した。

また、英国ユダヤ人代表委員会のフィル・ローゼンバーグ会長もモスクの火災を非難し、「すべての信仰共同体は恐怖から解放されて礼拝する権利を持っている。私たちの国は、もっとよい国であるはずだ」と述べ、連帯を訴えた。(c)AFP