【10月5日 AFP】パレスチナ自治区ガザ地区へ向かうのをイスラエル軍に阻止され、強制送還されたガザ支援船団の活動家たちが4日、トルコ・イスタンブールに到着した。活動家たちは「動物のように扱われた」と、暴力を受けたことを訴えた。

「グローバル・スムード船団」は先月、ガザへの支援物資を運ぶために出航。しかし、イスラエルがこれを阻止して活動家400人以上を拘束し、3日から送還を開始した。

13か国、137人の活動家がこの日イスタンブールに到着しており、そのうち36人はトルコ国籍だった。

イタリア・ロンバルディア州議員のパオロ・ロマーノ氏(29)はイスタンブールの空港でAFPに対し、「非常に多くの軍艦に取り囲まれた」と話した。

「一部の船は放水銃で攻撃され、すべての船が重武装の兵士により岸に運ばれた」「われわれは膝をつかされ、うつぶせにされた。動くと殴られた。彼らは笑いながら侮辱し、暴力を振るった」と話し、「心理的にも身体的にも暴力を受けた」と続けた。

船団には、環境活動家グレタ・トゥンベリさんを含む政治家や活動家が乗船していた。

ロマーノ氏によれば、イスラエル側は「不法入国を認めるよう強要した」が、「われわれは国際水域にいて、そこにいる権利があった」と主張した。

上陸後は刑務所に収容され、外出は許されず、ペットボトルの水も与えられなかったという。

「夜中にドアを開けて銃を持って怒鳴り、われわれを脅した。まるで動物のように扱われた」

イタリア人ジャーナリストのロレンツォ・ダゴスティーノ氏は「ガザから55マイル(約88キロ)の国際水域で拉致された」と述べ、「刑務所での2日間は地獄だった」と振り返った。

「今こうして出られたのは、パレスチナを支持する国際世論の力によるものだ」

「この状況が早く終わることを願っている。われわれに対する扱いは野蛮だった」

また、マレーシアの活動家(28)はイスラエルによる船団の阻止は「最悪の体験だった」と述べた。

活動家たちは、トルコ航空のチャーター機で移送された。イスタンブール空港のVIPラウンジでは、トルコ人活動家の家族らがトルコとパレスチナの旗を振り、「イスラエルは殺人者だ」と叫んでいた。

トルコ政府は船団阻止を「テロ行為」と非難し、2日から捜査を開始したと発表。ハカン・フィダン外相はX(旧ツイッター)で「人類の良心に声を与えた勇敢な人々」と活動家を称賛し、全てのトルコ国民を帰国させると述べたが、その人数は明らかにしなかった。(c)AFP