自民党総裁選、きょう投開票 最有力候補は高市氏と小泉氏
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【10月4日 AFP】自民党総裁選が4日午後、投開票を迎える。5年で5人目となる次期総裁は、反移民を掲げる参政党が支持を広げる中、低迷する党勢の立て直しを担う。
最有力候補は、対中強硬派で日本初の女性首相となる可能性のある高市早苗前経済安全保障担当相(64)と、比較的若いが能力不足を懸念されている小泉進次郎農相(44)だ。
だが、自民党の党員・党友や所属国会議員は、面白みに欠けるが無難な林芳正官房長官(64)を選ぶ可能性もある。林氏は「政界の119番」と呼ばれている。
国内メディアによると、10月13日の週にも首相指名選挙が行われる。自民党総裁選の勝者はほぼ確実に首相として選出される見通し。
次期総裁は、高齢化や地政学的な混乱、低迷する経済、移民問題への懸念の高まりなど、多くの複雑な問題に直面することになる。
しかしまずは、1955年の結党以来ほぼ休むことなく政権を握ってきた自民党を、再び有権者の支持を集められる存在にしなければならない。
小泉氏は、自民党の現状を「危機」と呼び、「もう一度、国民の声を聞き、国民の思いを感じとり、国民の不安に向き合う。そして国民の求める安心と安全を実現する政党に自民党を建て直す」と述べだ。
■移民による「侵略」
昨年、石破茂氏が首相に就任したが、自公連立政権は衆参両院で過半数を失い、石破氏は退陣表明に追い込まれた。
その中で台頭している政党の一つが参政党だ。移民を「静かなる侵略」と呼び、多くの問題の原因を移民に帰する点で他のポピュリスト運動と共鳴している。
高市氏と小泉氏は、移民と外国人観光客に関する参政党のメッセージに魅力を感じている有権者にアピールしようとしている。
高市氏は、「毎年、文化等が違う人たちを(国内に)入れる政策はいったん見直さなければいけない」と述べた。
小泉氏は、「一部地域では外国人の不法就労や地域住民とのあつれき、治安の悪化などにより地域住民の不安につながっている現実があります」と述べた。
在留外国人数が総人口に占める割合が3%にとどまる日本で、主流派の政治家が移民問題についてこうした警鐘を鳴らすのは異例だ。
自民党保守派出身の高市氏が首相になったとしても、ついに女性が日本を率いるという祝賀ムードは、間もなく失望に変わるかもしれない。専門家からは、高市氏は女性の権利や男女平等政策に全く関心がないと指摘する声もある。
小泉純一郎元首相の次男である小泉氏が首相になれば、1885年の伊藤博文の44歳2か月に次ぐ史上2番目の若さでの就任となり、自民党の世代交代を象徴する存在となる。
しかし専門家たちは小泉氏について、カリスマ性と現代的なイメージ(育児休暇を取得し、サーフィンも楽しむなど)にもかかわらず、深みに欠け、有権者にとって足かせとなる可能性があると懸念している。討論があまり得意ではないため、国会開会後にぼろが出るのではないかと指摘する声もある。(c)AFP