アイゼンハワー図書館長が辞任、英国王への剣贈呈でトランプ政権と対立
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【10月3日 AFP】米国のアイゼンハワー大統領図書館のトッド・アーリントン館長が、ドナルド・トランプ大統領の国賓訪英の際にチャールズ国王に同大統領図書館所蔵の剣を贈呈することに反対した後、辞任した。米メディアが2日、報じた。
アーリントン氏はCBSニュースに対し、「辞任しろ、しなければ解雇する」と言われたので、9月29日に辞任したと述べた。誰に言われたのかは明らかにしていない。
ドワイト・D・アイゼンハワー元大統領の故郷、カンザス州アビリーンにあるアイゼンハワー大統領図書館は、国立公文書記録管理局(NARA)の管轄下にある。
トランプ政権はアイゼンハワー元大統領の剣の1本をチャールズ国王に贈呈するよう求めたが、アーリントン氏が拒否したとされる。この剣は、米英関係を象徴し、第2次世界大戦における両国の協力関係を強調するものだった。
アイゼンハワー元大統領は1953年に大統領に就任する前、連合国軍を率いてナチス・ドイツと戦った。
トランプ政権は最終的に、アイゼンハワー元大統領が軍歴をスタートさせたウエストポイント陸軍士官学校から提供されたレプリカの剣をチャールズ国王に贈呈した。
米紙ニューヨーク・タイムズは、アーリントン氏の辞任は、アイゼンハワー大統領図書館に新たな教育センターを建設する計画をめぐる議論にも関連している可能性があると報じた。
AFPはホワイトハウスにコメントを求めたが、回答は得られていない。
連邦政府で数十年にわたるキャリアを積んできたアーリントン氏の辞任は、トランプ氏が1月の就任以来、米国の文化機関に対する前例のない統制を行う中で起きた。
トランプ氏は、伝統的に無党派または超党派だった複数の理事らを大量解雇し、自身の同盟者に理事会などの支配権を掌握させている。(c)AFP