ロンドン警視庁で警官の人種差別・女性蔑視行為 潜入取材で発覚
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【10月2日 AFP】英国のキア・スターマー首相は2日、英BBCの潜入報道でロンドン警視庁の警官が人種差別や女性蔑視を示していることが明らかになったことを受け、警視庁長官に「毅然とした」対応を求めた。
「映像はまだ見ていないが、説明を受けた。衝撃的だ。長官が対応していることは喜ばしいが、毅然とした対応が必要だ」と、スターマー氏は訪問先のデンマーク・コペンハーゲンで記者団に語った。
BBCの記者ロリー・ビブ氏は、2025年1月までの7か月間、ロンドン中心部のチャリングクロス警察署の拘留施設で民間職員として勤務した。
潜入取材の結果を基に制作されたドキュメンタリーでは、警察官による女性蔑視、人種差別、イスラム嫌悪などの行為が明らかとなり、ロンドン警視庁のマーク・ローリー警視総監が1日に謝罪した。
ローリー氏は声明で、「警察官によるこのような恐ろしい犯罪的行為は、私たちのコミュニティへの裏切りだ」と述べ、さらに「この番組で示された行為は非難すべきものであり、全く容認できない」と強調。チャリングクロス警察署の拘留担当班は解散されたことを明らかにした。
BBCによると、記者の潜入期間中、移民を射殺すべきとの主張の他、暴力行為の肯定や性的暴行に対する訴え軽視といった警察官による行為が確認されたという。
複数の男性警察官が秘密裏に撮影され、衝撃的な発言をしていた。その中には、ビザの期限を過ぎた拘留者について「頭に弾丸を撃ち込むべきだ」と述べたり、アルジェリアやソマリア出身の移民を「クズ」と呼ぶ発言も含まれていた。(c)AFP