【10月1日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は9月30日、軍幹部を集めた異例の会合で、米国は「内からの戦争」に直面していると述べ、米国の都市を軍の「訓練場」として活用することを提案した。

トランプ氏は世界中から招集された将軍や提督数百人に対し、民主党が支配する都市への取り締まりにおいて、より大きな役割を果たすよう呼び掛けた。

軍幹部らは、ピート・ヘグセス国防長官から別の課題についても警告を受けた。へグセス氏は「太った将軍」を排除し、数十年にわたる腐敗を正すと表明した。

トランプ氏は首都ワシントン近郊のクアンティコにある軍施設で巨大な米国旗を背景に、「ピートには、これらの危険な都市のいくつかを軍の訓練場として活用すべきだと伝えた」と述べた。

さらに、「われわれはこれらの都市を一つずつ正していく。この部屋にいる一部の人々にとって、これは重要な部分となるだろう。これも戦争だ。内からの戦争だ」と付け加えた。

トランプ氏は、犯罪と不法移民の取り締まり強化の一環として、ロサンゼルスと首都ワシントンに州兵を派遣した。また、メンフィスとポートランドにも州兵を派遣するよう命じ、両都市を「戦場」と呼び、次はシカゴに派遣すると述べた。

これらの都市はいずれも、共和党のトランプ氏と対立する民主党の政治家が市長を務めている。

トランプ氏は演説の冒頭で、自身の政権下で米軍が「戦士の精神を呼び覚ましている」と述べた。

軍関係者への演説において国内政治への言及を避けてきた歴代大統領とは異なり、72分間の演説はその後さらに露骨に政治的な色合いを帯びた。(c)AFP