【10月1日 AFP】スペインの左派政権は9月30日、女性に苦痛を与えるために子どもなどの愛する人に危害を加える暴力「代理暴力」を独立した犯罪とする法案を承認した。女性虐待の撲滅に向けた最新の動きだ。

アナ・レドンド男女共生相は代理暴力について、「パートナーまたは元パートナーが、媒介者を通して女性に対して行う暴力」であり、媒介者は子どもであることが多いが、その他の近親者も含まれると説明。

「これはわが国の法制度に組み込まれていない暴力の一形態だ。現実は現実であり、これを分類、統合、定義することが不可欠だと考えている」と続けた。

レドンド氏によると、2013年の統計開始以来、スペインでは父親、母親の交際相手または元交際相手による代理暴力によって65人の子どもが殺害された。

だが、代理暴力はより巧妙な形をとることもあり、子どもに処方薬を与えない、子どもが楽しみにしているスポーツ活動に連れて行かない、汚れた服を着せたまま母親の元に返すといった行為も含まれる。(c)AFP