政府世宗庁舎(c)news1
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【09月30日 KOREA WAVE】韓国政府は9月29日、国会を通過した政府組織法改正に基づき、気候変動とエネルギー政策を統合した「気候エネルギー環境省」(略称・気候省)を10月に新設すると発表した。産業通商資源省からエネルギー関連の業務を移管し、環境省を母体として拡大改編するもので、年末までに物理的な組織移管を完了させる。

改正法により環境省は「気候エネルギー環境省」として拡大し、産業通商資源省は「産業通商省」として縮小される。新設される気候省は、炭素中立とエネルギー安保を一元的に推進する「スーパー省庁」となる。

新組織は2次官制を採用。第1次官は水管理や資源循環、保健など従来の環境行政を担当し、第2次官はエネルギー・気候政策を統括する。第2次官の下には「気候エネルギー政策室」「エネルギー転換政策室」をはじめ、電力産業・送電網・原子力産業などを所管する16局が配置され、事実上組織の重心を担う。

産業通商資源省からはエネルギー政策室や再生エネルギー政策課、水素経済政策課、原子力産業政策局など5部署164人が移籍するほか、企画財政省からは気候基金関連部署14人、電気委員会事務局なども合流する。韓国電力や発電5社、韓国エネルギー公団など21の公共機関、約7万人が気候省の監督下に入ることになる。電気料金の決定権も産業省から移り、今後は気候省が担う。

ただ原子力発電の輸出業務は引き続き産業省が、技術開発業務は科学技術情報通信省が担当する。

韓国政府は10月の発足直後から執務空間確保、情報システム統合、人事・予算再編を進め、年末までに移管を完了する。下位法令を一括公布して次官・局課の名称と機能を確定させる。

最大の課題は政策の連続性確保だ。電気料金や燃料供給、再生可能エネルギー普及などは長期ロードマップが必要であり、産業省と環境省の組織文化やシステムの違いから行政の空白や意思決定の遅延が懸念される。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News