signiqのモデルカット=愛敬産業(c)MONEYTODAY
signiqのモデルカット=愛敬産業(c)MONEYTODAY

【09月30日 KOREA WAVE】韓国発の化粧品「Kビューティ」が世界的に人気を集める中、韓国の大手化粧品企業がこれまでの海外展開戦略を見直し、最初から海外市場向けに新ブランドを立ち上げるケースが増えている。従来は国内市場でのテスト販売を経て海外へ展開する手法が一般的だったが、今ではグローバルECプラットフォームの支援を受け、初めから北米や日本などをターゲットに据えたブランド開発が主流になりつつある。

韓国の生活用品・化粧品大手である愛敬産業は、新たなスキンケアブランド「シグニック(signiq)」を米電子商取引大手アマゾンで先行発売し、現地市場の攻略に乗り出した。国内ではなく、最初から海外市場を見据えて開発された新ブランドだ。

「シグニック」というブランド名は、「シグナル(Signal)」と「クリニック(Clinic)」を組み合わせた造語で、肌のシグナルに合わせて家庭で簡単にスキンケアができるという意味が込められている。愛敬産業は、海外市場でニキビ治療など機能性スキンケア製品の需要が高いことに注目し、即効性を重視する25~35歳の米国人消費者に的を絞った。高機能・高効果を志向する消費者ニーズに対応する形で、北米市場で勝負する方針を打ち出している。

現在、韓国・泰光(テグァン)グループによる買収を控える愛敬産業は、輸出全体の約70%を占めていた中国依存から脱却し、海外市場の多様化を目指している。同社の売り上げ構成は生活用品が64%、化粧品が34%と後者の割合が低下しており、化粧品分野の比重を高めることが急務となっている。

愛敬産業の広報担当者は「シグニックによって化粧品ポートフォリオを拡大し、Z世代をターゲットに新たな成長動力を確保する。Kビューティの人気を背景に、海外市場での成長を加速させる戦略ブランドとして育成していく」と語った。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News