2025年9月23日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で開催された第80回国連総会で基調演説をする韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)Reuters/news1
2025年9月23日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で開催された第80回国連総会で基調演説をする韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領(c)Reuters/news1

【09月29日 KOREA WAVE】韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領は、米ニューヨークで開かれた「大韓民国投資サミット」の席で、北朝鮮がすでに体制維持に必要な核兵器を十分に保有しているとの認識を示し、北朝鮮の核保有を事実上認めた。これにより、大統領は従来の対北朝鮮政策の見直しが必要だと強調した。

イ・ジェミョン大統領は、北朝鮮による核兵器および大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を阻止するには、トランプ米大統領の積極的な関与が不可欠であると述べた。そのうえで、韓国独自の防衛力強化に向け、国防費の大幅増額も検討していると明言した。

この発言は、イ・ジェミョン大統領が9月25日(現地時間)、ニューヨーク証券取引所で開かれた投資サミットの冒頭発言の中でなされたもの。イ・ジェミョン大統領は2018~19年の米朝首脳会談において、トランプ氏が真剣に和平を望んでいたと振り返り、「北朝鮮は体制維持のために必要な核兵器をすでに十分確保したように見える」と述べた。

さらに、イ・ジェミョン大統領は「北朝鮮は毎年核弾頭を製造し続け、核爆弾の製造能力も高めている。ICBM技術も完成段階にある。放置すれば毎年15〜20発の核爆弾が増え、ICBMの開発も進行する」と懸念を示し、「そうなれば、他国への輸出も現実味を帯びる」と警告した。

そのうえで「追加の核物質・核弾頭の生産とICBMの開発、国外輸出を中止させるだけでも相当な安全保障上の利益がある。短期的には開発・輸出・ICBMを止め、中期的には核兵器の削減、長期的には非核化を目指すべきだ」と主張した。

イ・ジェミョン大統領は「この交渉が可能な人物、北朝鮮が信頼し得る交渉相手はトランプ大統領しかいない。世界唯一の分断国家である韓国に平和をもたらすことができれば、歴史的な成果になる。真の『ピースメーカー(和平の仲介者)』となり得る」と語り、自身はトランプ氏に対して支援と調整を約束したと説明した。

イ・ジェミョン大統領は、2025年9月23日の国連総会での基調演説で、北朝鮮との「交流(Exchange)」「関係正常化(Normalization)」「非核化(Denuclearization)」を柱とする「ENDイニシアティブ」を打ち出した。

これは従来の「中断→縮小→廃棄」という3段階の北核問題解決策に加え、恒久的な平和構築を視野に入れた包括的な方針である。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News