警官による「犯罪者」殺害にボーナス、虐殺の恐れ ブラジル・リオ州
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【9月25日 AFP】ブラジル・リオデジャネイロ州議会は23日夜、「犯罪者」を殺害した警察官にボーナスを支給する法案を可決した。人権活動家らは警官による「虐殺」につながる恐れがあるとして反発している。
「ワイルド・ウェスト(米西部開拓時代)ボーナス」という通称で呼ばれる同様の措置は、1995~1998年に実施されていたが、警官によるによる殺害数の急増を受けて廃止された。
反対票を投じた左派のエンリケ・ビエイラ議員は法案について、「暴力を刺激し、死を公共政策にしてしまう」と述べた。
リオでジャネイロ州では、麻薬密売人が支配するファベーラ(貧民街)において、警察による積極的な介入が日常的に行われている。
発効には、極右ジャイル・ボルソナロ前大統領の盟友であるクラウディオ・カストロ知事による公布が必要となる。
法案は、警官が「大口径武器の押収時、または犯罪者の無力化に至った状況」において、給与の10~150%のボーナスを受け取ることができると規定している。
黒人の権利を擁護するNGOの弁護士、ジェフ・アマデウス氏は24日、AFPに対し、法案は「どんな手を使ってもいいからもっと稼ぎたいと考える警官による、広範囲にわたる虐殺」につながる可能性があると指摘した。
公式統計によると、リオデジャネイロ州では2024年、警察の介入により703人が死亡した。(c)AFP