国連のエスカレーター故障はトランプ氏への嫌がらせ? ホワイトハウスが調査
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【9月24日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は23日、ニューヨークにある国連本部訪問中にエスカレーターとテレプロンプターの両方が故障した際、笑い飛ばしたかのように見えたが、米当局者にとっては笑い事では済まなかった。
ホワイトハウスは、エスカレーターが故意に停止されたのは、国連総会での演説で国連を激しく非難したトランプ氏の名誉を傷つけるためだったのではないかとして調査を開始したと発表した。
ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は23日夜のFOXニュースで、「もし国連とその職員が、大統領とファーストレディを文字通り意図的につまずかせようとしていたことが明らかになれば、これらの人々の責任を問うべきだ。私は自らその責任を追及する」と述べた。
これに対し国連報道官は、トランプ氏の前にいた人物が誤ってエスカレーターの安全装置を作動させたことが停止の原因だと述べた。
レビット氏は同日早朝の声明で、21日付の英紙ロンドン・タイムズの記事を引用し、米国の拠出金が全面的に削減される中、国連職員がエスカレーターを止めて「お金がなくなったとトランプ氏に伝えよう」と冗談を言ったと述べた。
他のホワイトハウス関係者や保守派コメンテーターも、トランプ氏に対する陰謀なのではないかと推測した。
映像には、トランプ氏とメラニア夫人が国連本部のエスカレーターに乗り、少し進んだところでガクンと止まる場面が映っている。
■「故障したエスカレーター」
トランプ氏の不運は続き、演説開始時にテレプロンプターも故障した。
トランプ氏は、「このテレプロンプターを操作しているのが誰であれ、大変なことになる」と述べた。
それから冗談めかして、この二つの出来事を、一連の紛争における自身の和平努力への支援不足などの国連の数々の失策と関連付けた。
トランプ氏は、「私は七つの戦争を終結させ、それぞれの国の指導者と交渉したが、国連から電話を一度も受けたことがない」と述べた。
「国連から受け取ったのは、エスカレーターが途中で止まるという仕打ちだけだ。ファーストレディの体調が悪ければ転落していただろうが、彼女は元気だ。私たち二人とも大丈夫だ」「国連から受け取ったのは、エスカレーターの故障とテレプロンプターの故障の二つだ。本当にありがとう」と付け加えた。
だが国連は、すべてが簡単に説明できると反論。
国連のステファン・ドゥジャリク事務総長報道官は声明で、「機械の中央処理装置の読み取りを含むその後の調査の結果、エスカレーターは上部のコームプレートに内蔵された安全装置が作動した後に停止したことが判明した」と説明。
「米国代表団の到着を撮影していたカメラマンが、上記の安全機能を誤って作動させた可能性がある」と続けた。
米大統領用のテレプロンプターについては、「ホワイトハウスが運用しているため、コメントできない」と述べた。
AFP記者によると、ニューヨークの国連本部ではエスカレーターが頻繁に故障しているという。(c)AFP