仏全土でマクロン大統領への抗議デモ、混乱の一日に
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【9月19日 AFP】フランス全土で18日、数十万人の国民がエマニュエル・マクロン大統領の予算政策に対して抗議し、国民生活に大きな混乱が生じた。
労働組合の呼びかけに応じた人々が抗議デモに繰り出し、交通機関はまひして、学校は閉鎖。デモの一部は警察と散発的な衝突を繰り返した。
左派系の有力労組「労働総同盟(CGT)」は全国で100万人以上がデモに参加したと発表したが、フランス当局は参加者が50万人以上で、パリでは約5万5000人が抗議を行ったと発表している。
ブリュノ・ルタイヨー内相は、デモで309人が拘束され、7300人の「過激化した」抗議者が参加したと述べた。また警官26人が負傷しているという。
労組のストライキの呼びかけに応じ、小中学校の教師約6人に1人がストライキに参加。薬局は9割が閉鎖された。また、パリ地下鉄は無人運転の3路線だけが通常運行となり、通勤客は大きな混乱に直面した。
セバスティアン・ルコルニュ首相は先週、進行中の政治危機を背景に、過去との決別を誓ってマクロン政権下で7人目の首相に就任した。
だが、前国防相であるルコルニュ氏の首相任命は、労働組合と左派の怒りを静めるには至っていない。
ルコルニュ首相はこの日、「すべての社会的パートナーとの対話を継続することを約束する」と声明で述べ、労働組合との再会談を予定していると話した。
しかし多くの抗議者は、任期を1年半残して支持率が過去最低に沈むマクロン氏に直接矛先を向けている。
抗議者は辞任を求めるプラカードが掲げたり、南部のニースではマクロン氏の人形を空中に放り投げたりした。
それ以外にも、一般市民と富裕層の格差拡大、政府の緊縮政策が貧困層に与える打撃についても不満が広がっている。
フランソワ・バイル前首相が提出した440億ユーロ(7兆6600億円)の予算削減案には怒りの声が上がっており、ルコルニュ氏は首相経験者の終身特権の廃止や、二つの祝日を廃止するという広く嫌われている計画の撤回を約束している。(c)AFP