【9月19日 AFP】パブロ・ピカソが愛人の一人を描いた未公開の肖像画が、18日にフランス・パリのオークションに出品された。最低価格は800万ユーロ(約14億円)となっている。

「Bust of a Woman With a Flowery Hat(花模様のハットをかぶった女性の胸像)」と題されたこの作品は、ピカソのミューズの一人であるフランス人写真家・画家・詩人のドラ・マールを描いている。

競売会社オテル・ドゥルオによると、80センチ×60センチのカラフルな油絵の「約800万ユーロの評価額は、さらに上昇する可能性がある」という。

絵は1943年7月11日に描かれ、44年8月にフランスの個人収集家が購入。現在の匿名の所有者は、その収集家の孫だという。

ピカソに詳しい専門家によると、この作品は公開時に「一般には知られておらず、第2次世界大戦中のドイツ占領下、パリのピカソのアトリエ以外では展示されたことがない」という。また、「非常に特別な作品であり、ピカソの芸術史においても重要な節目となる」と評価している。

ピカソ作品のこれまでの最高落札額は、2015年にクリスティーズで落札された「アルジェの女たち バージョンO(The Women of Algiers〈Version O〉)」で、1億7940万ドル(約265億円)。アート作品としては当時、史上最高の値を付けた。(c)AFP