フランス国営メディア、右派民間メディアと対立
このニュースをシェア
【9月18日 AFP】フランスの国営メディアは、保守派の実業家バンサン・ボロレ氏が所有する民間右派メディアが国営メディアに対して「中傷キャンペーン」を展開していると非難した。フランスのメディア業界が激しい対立状態にあることを浮き彫りにしている。
メディア業界の重要人物として台頭しているボロレ氏は、米国のFOXニュースをモデルにしたとされる有力ケーブルテレビ局Cニュースの出資者だ。
AFPが17日に確認したメディア規制機関ARCOM宛ての書簡によると、国営のフランス・テレビジョンズとラジオ・フランスの代表は、両社がボロレ氏のメディア帝国による「組織的かつ日常的な中傷キャンペーンの標的になっている」と考えている。
ボロレ氏は、Cニュースに加え、ラジオ局ヨーロッパ1、日曜紙ジュルナル・デュ・ディマンシュなど、さまざまなメディアを所有している。
中道派と左派は、極右が史上最も勢力を伸ばし、次期大統領選が2027年に予定されていることから、ボロレ氏がフランスの政論に及ぼす影響を懸念している。
「中傷キャンペーン」疑惑は、国営メディアにコメンテーターや司会者として出演するベテラン政治ジャーナリスト2人が、社会党幹部2人と会話する動画が公開されたことを受けたもの。
保守系メディア「l'Incorrect」が9月5日に公開した秘密録音には、ジャーナリストの一人、トマ・ルグラン氏が、同じくジャーナリストのパトリック・コーエン氏と共に、スキャンダルにまみれたラシダ・ダチ文化相の評判をおとしめようとしていることを示唆する内容が収録されている。
このやり取りは、国営メディアと対立する極右政党「国民連合」のマリーヌ・ルペン氏らから、国営メディアの政治的偏向を裏付けるものだと批判されている。
ルグラン氏はその後、ラジオ・フランスのチャンネル、フランス・アンテルの日曜番組を降板したが、コメンテーターとしての活動は継続する。
秘密録音では発言していないコーエン氏は、フランス・テレビジョンズによる倫理調査で潔白が証明された。
フランス・テレビジョンズのデルフィーヌ・エルノット・クンシ会長とラジオ・フランスのシビル・ベイユ会長は、ARCOMに宛てた書簡の中で、両社に対する批判が「単なる討論の域を超え、言語道断でバランスを欠いている」と訴えた。
Cニュースは視聴者数でフランス最大のニュースチャンネルとして台頭。犯罪や移民問題、そして政治討論番組に重点を置き視聴者数を伸ばしている。(c)AFP