【9月18日 AFP】アフリカ南部ザンビア北部の鉱山で発生した大規模な有毒物質流出事故で、影響を受けた住民176人が鉱山を所有する中国企業を相手取り、800億ドル(約11兆7000億円)の損害賠償を求める訴訟を起こしている。AFPが17日、法的文書で確認した。

この事故は今年2月に発生。銅山の鉱滓(こうさい)ダムが決壊し、数百万リットルもの酸性廃棄物が首都ルサカの北約285キロに位置するキトウェの町付近の小川や河川、畑に流出した。

市民社会や汚染管理会社から、流出量は主張されているよりもはるかに多かったと指摘されており、中国企業とザンビア政府の対応は厳しい目で見られている。

9月12日に176人の住民を代表して、鉱滓ダムを所有する中国企業シノ・メタルズ・リーチ社と、ダムが設置された土地を所有するNFCアフリカ・マイニングに対して提出された訴状には、「高酸性で毒性の高い物質が深刻な環境被害を引き起こした」と記されている。

原告らは、流出によって水生生物が死滅し、畑や家屋が浸水し、作物や牧草地が焦土化し、家畜が死に、「極度の貧困」を招いたと主張している。

原告らによると、汚染物質にさらされたことで、腹痛から皮膚炎、呼吸器疾患、嘔吐(おうと)、血尿まで、「さまざまな健康被害」が引き起こされているという。

シノ・メタルズ・リーチは約5000万リットルの廃棄物が流出したと発表したが、汚染管理会社は流出量はその約20倍に上ると指摘している。(c)AFP