中国の海洋エンジニアリング:「ブルーエンジン」が強力な推進力に
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【9月23日 People’s Daily】青く広がる海は、美しく豊かで、無限の可能性に満ちている。中国の海洋経済総額は、2024年に初めて10兆元(約207兆9000億円)の大台を突破し、過去10年間で75.9%増加した。その規模は今年も拡大し、力強い発展を続けている。
海洋エンジニアリング装備製造業、海洋医薬品、バイオ製品産業などの新興産業は急速に発展し、海洋第三次産業も海洋経済の成長の主要な牽引力となっている。
■海洋輸送がさらに高効率化:
浙江省(Zhejiang)義烏市(Yiwu)の雑貨を満載し、汽笛の音とともに寧波舟山港を出発したコンテナ船「シマー・エッセン(司馬埃森)号」は、17日間で万里の波頭を越え、北京時間6月9日午前0時36分、アラブ首長国連邦(UAE)のジュベル・アリ港に無事到着した。「義烏-寧波舟山港-UAE」を結ぶこの「鉄道・海上快速複合輸送(海鉄快線)+高速海洋輸送(海運快航)」の「ダブル快速」物流ルートがいよいよ開通したのだ。
総合貨物代理企業「浙江義迪通供応鏈服務」のビジネスマネージャー・呂哲(Lu Zhe)氏は「義烏の雑貨は、第一段階として「海鉄快線」で寧波舟山港まで運ばれる。港の倉庫でコンテナに積み込まれた貨物は埠頭区域まで直送され、直接コンテナ船に積み込まれる。従来のトラック輸送に比べ、少なくとも3日間は時間短縮できる」と説明した。
第二段階の高速海洋輸送の手配には、港湾当局、税関、船会社などの緊密な相互連携、内陸倉庫と深水港との間の正確な情報連絡が必要となるが、現在義烏の雑貨は、最初の義烏の集荷倉庫から最後のドバイの販売拠点まで「一貫直接輸送」が実現しているという。
呂氏の話によれば、従来は義烏の雑貨が中東に届くまでには25日ほどかかり、さらに海外現地での通関遅れなどの問題もあったという。これに対し「ダブル快速」という物流モデルでは、義烏と中東が直結される貿易・輸送ルートが築かれ、貨物の輸送時間が大幅に短縮しただけでなく、物流コストも18%削減されたという。
中国は現在、寧波舟山港をハブとして、「合肥(Hefei)―ドイツ・ウィルヘルムスハーフェン」と「義烏―UAEドバイ」の2つの効率的な複合一貫輸送ルートの開通に成功しており、「ダブル快速」物流モデルがいよいよ成熟した応用段階に入ったことが示されている。
現在、義烏西駅(Yiwuxi Railway Station)と寧波舟山港を結ぶ。
複合一貫輸送ルートは、「世界のスーパーマーケット」と世界最大の貨物取扱量を誇る港を結ぶ強固な絆となっている。寧波舟山港の「鉄道・海上複合一貫輸送業務」は現在、16の省・自治区・直轄市の67の地方級都市に広がり、貨物取扱量は16年連続で世界一位を維持している。
■海洋漁業をスマートに
「この大黄魚(フウセイ)の稚魚は、養殖する船に持って行くものだ」、福建省(Fujian)寧徳市(Ningde)の稚魚養殖業者、呉宜美(Wu Yimei)さんは生け簀船の水槽を指さした。そこには数万尾の大黄魚の稚魚が泳いでいた。
どんな船で魚を養殖するのか? 生け簀船が港を出て間もなく、海上に浮かぶ大型船舶が見えてきた。舷側には「国信1号」の文字がはっきりと見える。「国信1号」養殖作業船の曲善村(Qu Shancun)総経理の説明によれば、これは世界初の10万トン級の「スマート漁業大型養殖作業船」で、全長249.9メートル、排水量13万トン、遊弋(ゆうよく)式の「船載水槽養殖モデル」を世界で初めて実現した船で、その年間生産量は3200トンに達するという。
関係者の説明によると「国信1号」の甲板の下には15の養殖槽があり、養殖水量は9万立方メートルに達し、標準的なスイミングプール36個分に相当する。養殖槽には24時間給水が行われ、また酸素供給装置も設置され、稚魚に深海の自然環境に近い養殖環境を提供している。
「国信1号」には2000以上のセンサーが設置され、集中制御室の作業員は養殖コンパートメント内の環境指標や稚魚の成長状況をリアルタイムで監視することができる。出荷条件を満たした大黄魚の鮮度保持処理や加工も全て船上で行うことができる。
「国信1号」は22年の就航から現在まで、累計1万8000海里(3万3336キロ)余りを航行した。その間、浙江省の岱山島・衢山島周辺に分布する種類の大黄魚の稚魚1200万尾余りを、船内の養殖槽で養殖している。
■海洋文化観光、より多彩に
福建省の平潭県は、6064平方キロの海域面積、408キロにおよぶ海岸線、全長約70キロのサンドビーチ、126の島々を有し、風光明媚な海の観光資源に恵まれている。
観光客が島巡りや海遊びの体験感を高めるため、昨年6月、平潭22号国際ヨットマリーナが営業を開始した。49の係留施設が建設され、ヨット、ウェイクボート、水上バイク、水上カートなど、様々なマリンレジャー体験が用意されている。
現在、波間を進み夕日を追うサンセットクルーズは、多くの観光客にとって外せない体験アイテムとなっている。省内の福州市(Fuzhou)から訪れた観光客の林暁燕(Lin Xiaoyan)さんは友人と観光遊覧船のサンセットクルーズを予約した。青い海と青空や海の夕焼けを楽しむだけでなく、船上での特色あるパフォーマンスや様々な衣装を着ての記念撮影なども体験した。「ドリンクを一杯注文して、窓辺に座って海の景色を眺めていると、陶酔感に浸れる」、林さんはこのクルーズにすっかり満足した様子だ。
「昨年の1日当たりの最大乗船者数は1500人に達し、今年の夏休み期間は毎日2便を追加した。さらに海上研修旅行、海上団体研修、海上結婚式など特色あるイベントも設定した」、遊覧船の運営会社「福建平潭海上観光游輪」の王鋒(Wang Feng)董事長は、平潭観光の盛況ぶりをこう話した。
統計によると、今年1~5月の平潭の国内観光客数は438万7700人で、前年同期比15.0%増、国内観光客の消費額は42億9300万元(約892億5147万円)で18.5%増加となっている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews