【9月18日 CNS】中国・雲南省(Yunnan)では毎年6月から9月が「キノコの季節」。この時期に合わせ、多くの観光客が雲南を訪れ、野生キノコの滋味を堪能している。近年はただ味わうだけでなく、自ら山に入りキノコを摘む「キノコ狩り体験」が人気を集めており、シーサンパンナ(Xishuangbanna)・タイ族自治州や大理市(Dali)、楚雄イ族自治州(Chuxiong Yi Autonomous Prefecture)などで「マッシュルームハンター」に変身し、現地の人びとの暮らしを体験する旅行客が増えている。

雲南は中国南西部に位置し、独特の地理や気候、多様な生態系に恵まれている。そのため食味が良く栄養価も高い野生食用キノコが豊富で、「野生キノコの王国」とも呼ばれる。世界で知られる野生食用キノコは約2500種あるが、雲南には900種以上が分布し、世界の36%、中国全体の9割を占める。

人気の高まりを受け、旅行会社は次々と関連ツアーを企画。例えば、麗江市(Lijiang)・拉市海では「キノコ狩り+乗馬+軽登山の日帰りツアー」、騰衝市(Tengchong)の高黎貢山では「ハイキング+キノコ狩り+動植物の知識を学ぶ日帰りツアー」などが登場している。

料金はルートやサービス内容によって数十元から数百元(数百円から数千円)と幅広い。料金にはガイド同行、野生キノコに関する解説、基本装備、保険などが含まれ、写真撮影や食事をセットにしたプランもある。

大理・蒼山で活動するガイドによると、参加者は山麓で集合し、ガイドに導かれて半日または1日かけて採取する。山には数十種類の食用キノコがあり、摘んだものは持ち帰ることができるという。ガイドはいずれも経験豊富な地元の人びとで、「雨上がりの晴れた1~2日後には山全体にキノコが出る。どこに群生地があるか知っているので、空振りすることはない」と話す。

体験前にはガイドが注意事項を説明する。野生キノコの特徴や見つけ方などを教え、安全のため参加者が勝手に調理することは禁止されている。ガイドは地元で普段から食べられている種類を案内するが、雲南では「毒キノコを食べると小人が見える」と揶揄されるほど、中毒はインターネットでもよく話題になる。

こうした特別な体験は若者を中心に人気だ。参加者は「まるで自然を探検するようで、宝探しのようなわくわく感がある。登山やハイキングも退屈せず、収穫したキノコには大きな達成感がある」と話す。

関係者によると、3年前には大理でキノコ狩りを提供する業者は5軒にも満たなかったが、今では数百軒に増えている。観光業の活性化につながる一方で、環境への影響も懸念されるようになった。

中国科学院昆明植物研究所の楊祝良(Yang Zhuliang)研究員は「多くの観光客が無秩序にキノコを採取すれば、生態系に悪影響を及ぼし、絶滅危惧の植物にも被害が及ぶ」と警鐘を鳴らす。

こうした状況を踏まえ、雲南省の関係部門は6月末に通知を出し、自然保護区内での観光は計画に沿った区域・ルート・収容人数を厳守し、体験型や教育、観光、レジャー活動を秩序立てて実施するよう求めている。(c)CNS/JCM/AFPBB News