【9月16日 AFP】国連(UN)の独立国際調査委員会(COI)は16日、イスラエルがガザで「パレスチナ人を破壊する」ために「ジェノサイド(集団殺害)」を行っていると非難する報告書を発表した。

COIは国連を代表して発言するものではなく、イスラエルから厳しい批判を受けている。委員会を率いるナビ・ピレイ氏(83)はAFPに対し、「ガザでジェノサイドが発生しており、継続している」と述べ、「責任はイスラエル政府にある」と指摘した。ピレイ氏は、かつてルワンダ国際法廷のトップを務めた他、国連人権高等弁務官としての経験も持つ。

報告書の発表を受けイスラエルは直ちに反発。同国外務省は「歪曲されており、虚偽の内容」と非難し、COIの「即時廃止」を求めた。

COIは報告書で、2023年10月以降、イスラエル当局と軍が1948年のジェノサイド条約に記載されている「ジェノサイドにあたる5行為のうち4行為」を行ったと結論付けた。

具体的に指摘されたのは:「集団構成員を殺すこと」「集団構成員に対して重大な肉体的または精神的な危害を加えること」「全部または一部に肉体の破壊をもたらすために意図された生活条件を集団に対して故意に課すること」「集団内における子どもの出生を防止することを意図した措置を課すること」の4行為だ。

報告書はまた、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領、ベンヤミン・ネタニヤフ首相、ヨアブ・ガラント前国防相が「ジェノサイド行為を扇動し、イスラエル当局がこの扇動を罰するための行動を取らなかった」と指摘。ピレイ氏は「これらの残虐行為の責任は、最高位のイスラエル当局(者)にある」と述べた。

委員会は法的な機関ではないが、その報告書は外交的影響力を持つとともに、後の裁判で証拠として利用できる記録を残す役割を担っている。ピレイ氏はAFPに対し、委員会は国際刑事裁判所(ICC)の検察官と協力しており、「数千件の情報を共有した」と述べた。(c)AFP