【9月14日 AFP】オーストラリア政府は14日、将来の原子力潜水艦艦隊計画に向けた造船所施設改善のため、初期費用として120億豪ドル(約1兆1800億円)を投じると発表した。

リチャード・マールズ国防相は、西オーストラリア州パースの造船施設および整備地区を10年かけて改造するために「非常に重要な」投資が行われると述べた。

2021年に米英との安全保障枠組み「オーカス(AUKUS)」を締結したオーストラリアは、パースのヘンダーソン防衛地区に資金を投入し、海軍への原子力潜水艦導入を進めている。

この計画は、中国の太平洋における軍事力拡大に対抗するため、オーストラリアの長距離攻撃能力を向上させる大規模な軍事再編の一環となる。

原子力潜水艦の整備に必要なインフラを持たないオーストラリアは、15年以内に少なくとも3隻の米国製バージニア級潜水艦を取得し、最終的には自国で潜水艦を製造することを目指している。

「ヘンダーソン防衛地区はAUKUSの重要な一部であり、その観点から米国でも英国でも歓迎されるだろう」とマールズ氏は豪スカイニュースに語った。

マールズ氏によると、この投資によりヘンダーソン防衛地区には、原子力潜水艦を維持するための高セキュリティの乾ドックが整備されるほか、上陸用舟艇や将来的には日本のもがみ級に相当するフリゲート艦を建造できる施設も整備される。(c)AFP