中国のネット文学が海外へ、中国理解の魅力的な窓
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【9月18日 People’s Daily】近年、海外の読者や視聴者の多くが、中国のネット文学作品とそれを原作としたドラマやゲームなどを通じて、中華文化に親しみ、現代の中国への理解を深めている。
中国社会科学院が発表した「2024年中国ネット文学発展研究報告」によると、24年の中国のネット文学の海外市場規模は50億元(約1029億円)を超えている。海外のネット作家46万人を育成し、海外ユーザー数は3億5000万人に達し、世界200以上の国と地域をカバーするまでになっている。
文字のIP(知的財産権)から映像やアニメへ、仮想空間から現実との共鳴へ、中国のネット文学はデジタル時代において文明の相互理解の新たな架け橋となり、世界が中国を理解するための魅力的な窓となっている。
フランス南部の都市カンヌでは、中国のネット小説「その魔女を放せ(Release that Witch)」に登場する中国の点心「冰皮小包子」の作り方に、地元の母親が興味を持ち、同じ方法で手作りした点心を、子どもたちに食べさせた。
カナダのケベック州では、幼稚園で働く若い女性が、夜は中国ネット文学を読み、気に入った作品をフランス語に翻訳してネットに掲載している。
中国のネット文学がフランス語圏の読者にもたらした驚きについて、フランスの中国系ウェブ小説プラットフォーム「元気閲読連合(Chireads.com)」の共同創設者兼編集長のシャルル・エマニュエル・ドウィース(Charles-Emmanuel Dewees)氏は「中国のネット文学作品は、読者を幻想的な世界に浸らせるだけでなく、現実の世界でも読者に影響を与えている」と評した。
「元気閲読連合」は、中国とフランスのネット小説愛好家たちが設立したオンライン読書コミュニティだ。17年の開設以来、フランス、ベルギー、ルクセンブルク、モナコ、カナダなどから多くの読者を集め、月間アクティブユーザー数は100万人近くに上り、1日平均の読書時間は50分を超えている。
「元気閲読連合」は、中国のデジタル出版・文化企業「閲文集団(China Literature)」とその傘下の文学配信ウェブサイト「起点中文網(Qidian Zhongwenwang)」からフランス語翻訳権とデジタル版権を取得した後、世界のフランス語圏における最大の中国ネット小説翻訳フォーラムへと成長した。
「素晴らしい!」「面白い!」「伝奇的!」「楽しい!」、「元気閲読連合」のコミュニティでは、そんな読者の声がよく見られる。シャルル氏は「中国のネット文学は、魅力的なストーリー、幻想的な想像力、心を動かす情感で、異なる文化的背景を持つ人びとの共感を呼び、人びとが中国に触れ理解するための窓となっている」と言う。
バングラデシュ出身の女性・アンディスさんは「私が上海の大学に進学したいと思ったのは、中国人のネット作家「孩子幫(Haizibang)」の影響もある。上海の出身のこの作家が子供の頃から大好きで、一種の追っかけのような気持ちで、懸命に勉強して復旦大学に入学した」と語る。彼女は復旦大学で学び始めてから今年で7年目になる。
彼女は小学校の時に商売をする両親について広東省(Guangdong)の広州市(Guangzhou)に移り住み、現地の図書館でたくさんの中国書籍、とりわけ中国のネット文学を読んだ。中学校でバングラデシュに戻った後も、彼女の中国ネット文学への愛は途絶えることなく「晋江(Jinjiang)文学城」やいくつかの英語サイトを通じて、様々な中国のネット文学を読み続けた。
現在27歳の彼女は、中国のネット文学とともに20年以上を過ごしてきた。
なぜ中国のネット文学は言語や文化を越えて、海外の読者に愛されるのだろうか?
アンディスさんの分析では、バングラデシュなどの南アジア諸国は文化的に中国と共通点が多く、例えば中国のネット文学に描かれる奮闘精神、運命に逆らう物語、邪が正に勝てないという価値観などは、南アジアの読者にも共感されやすいという。
「慶余年(Joy Of Life)」「琅琊榜(List of Langya)」など、韓国の翻訳家パク・ノリョク(Park Noryeok)さんは、記者に中国ネット文学を原作としたドラマ作品を挙げた。現在、彼女は専門機関と協力し、中国のネット文学作品を韓国語に翻訳している。
近年、中国のネット文学は韓国で影響力を高めており、特にそれらを原作としたドラマは韓国の若者の間で人気が高まっている。パクさんはその人気の理由を「中国のネット文学作品は種類が豊富で、歴史、現実、ファンタジー、SF、推理、武侠、恋愛など、どのジャンルにも優れた作品がある。どのジャンルが好きでも、中国のネット文学の中で見つけることができる」と説明する。
「中国のネット文学を原作とした映像製品は多様で、豊富な派生製品がさらに中国ネット文学の影響力を広げている」、パクさんは、中国ネット文学が海外で人気を集める背景には、それを支える成熟した産業生態系があると見ている。
彼女は「私のように多くの韓国人は、ドラマやアニメなど中国ネット文学を原作とした映像作品にまず心を惹かれ、そこから原作のネット文学に興味を持つようになる。ネット文学を深く掘り下げ、そこから二次創作で作品を生み出す産業生態系は、非常に特色があり、参考になる点が多い」と話す。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews