中国サービス業の開放加速、どういうチャンスが「解禁」されるか
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【9月17日 People’s Daily】中国は、観光、運輸、医療、金融、通信、これら国民生活に密接に関連する分野で「対外開放」を継続的に推進し、消費者と投資家に対して、より多くの選択肢を提供している。
このほど「サービス業の開放拡大の総合トライアルポイントの加速に関する業務計画」(以下「計画」と略す)が発表された。その「計画」では、「トライアルポイント(試行地域)」の先行的役割をさらに発揮させ、サービス業の開放を加速させ、強化することが明確に提示された。
「計画」によると、電気通信サービスおよび関連デジタル産業の開放的な発展の支援、医療・健康分野の対外開放とサービス保障レベルの向上など14分野を対象に155項目のトライアル任務が提示され、対象の11の省・市全体で一斉に展開するとしている。
また、今回新たに大連市(Dalian)、寧波市(Ningbo)、アモイ市(Xiamen)など9つの都市がトライアルポイントに組み入れられた。
2015年以降、中国国務院は3回に分けて北京市など合わせて11の省・市でのサービス業開放拡大のトライアルの実施を承認し「1+4+6」の構造が形成されていた。
そのうち「1」は北京市、「4」は天津市(Tianjin)、上海市、海南省(Hainan)、重慶市(Chongqing)の4つ、「6」は瀋陽市(Shengyang)、南京市(Nanjing)、杭州市(Hangzhou)、武漢市(Wuhan)、広州市(Guangzhou)、成都市(Chengdu)の6つだ。
昨年、これら11の省・市でサービス業が迎え入れた外国資本は2932億元(約6兆575億円)に上り、中国全土のサービス業の外資導入の総金額の約半分を占めた。
商務部副部長兼国際貿易交渉副代表の凌激(Ling Ji)氏は「(トライアルの実施は)市場参入のハードルを継続的に緩和し、ルール・規制・管理・基準など制度面での開放を拡大し、市場化・法治化・国際化された一流のビジネス環境を整備し、中国に進出する外資系企業の投資・経営に豊富な応用シーンと安定的で開放的な政策環境を提供するものだ」と述べた。
商務部国際貿易経済合作研究院の聶平香(Nie Pingxiang)研究員は「製造業分野の外資参入制限措置の全面撤廃に伴い、今やサービス業は中国のハイレベルな対外開放の重点分野となり、主要な方向となった。世界中で一方的主義と保護主義が激化する状況の中、中国がサービス業の開放拡大の総合的なトライアルの実施を加速し、自主的な開放・単方向的な開放を秩序立てて拡大することは、より多くの確実性と安定性を世界に向けて提供する実践的な行動なのだ」と指摘する。
商務部外国投資管理司の朱冰(Zhu Bing)司長は、今回の「計画」には以下のような特徴があると解説する。
■イノベーションに重点を置き、新たな質を備えた生産力の発展を加速すること。
例えば、商業用宇宙ロケット発射場を拠点に、研究開発・設計、組立・試験、データ応用やサービス貿易などを一体化させた「ロケット産業連鎖」「衛星産業連鎖」「データ産業連鎖」の形成を推進し、「宇宙プラス(+)」の新たな業態を拡大する。
また、スマートコネクテッドカーにおける「車・道路・クラウド一体化」の実証試験を実施し、ネットワーク接続やクラウド制御の基盤整備を大規模に進め、技術的なブレークスルーと産業化の加速を図る。
■重点を際立たせ、制度面での開放の実効性を高めること
この「計画」は、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的・先進的な協定)やDEPA(デジタル経済連携協定)など国際的に高水準な経済貿易ルールの条項を体系的に整理した上で、これらのルールを具体的な産業分野での実際の適用に結びつけることや、ルールや標準の主体的な整備を重点的に掲げている。
■問題点に即して取り組みを進め、試験的な施策の効果を高めていくこと
「計画」で掲げられた155の施策の多くは、企業の普段の経営や国境を跨ぐ投資といった現場の実際のニーズから生まれたものだ。例えば、外資系企業が「再投資」を行う際に外貨関連の登記手続きを不要にすること、海外で資格を取得した外国人専門人材が金融や環境・低炭素の分野で特定の区域でサービスを提供できるようにすること、さらに外国人の永住者IDカードを社会の中で使いやすくし、利用できる場面や範囲を広げていくことなどが挙げられている。
■地域ごとの特性に合わせて試験的な取り組みを進めていくこと
トライアル地域では、それぞれの発展の方向性や得意分野に応じて、多方面から幅広く実験的な取り組みが行われる。例えば、上海では貿易や入国管理に関わる手続きを電子化し、全市で導入したうえで、段階的に全国へ広げていく。
海南省では「博鰲楽成国際医療観光先行区」で、医療サービスや医薬品、研究開発、産業、都市づくりを一体的に進め、がんや希少疾患の分野で世界の最新薬や医療機器を積極的に取り入れる。
重慶では、人民元と外貨をまとめて管理できる資金プール制度の試行を支援し、多国籍企業が国境を越えて資金を動かしたり投資したりする際の利便性を高めていく。
聶研究員は「この『計画』は新しいラウンドのサービス業開放拡大総合トライアルの実施に新たな内容と任務を与え、中国がサービス業の開放拡大をさらに推進するための方向性を示したもの」と見ている。(c)PeopleʼsDaily/AFPBBNews