【9月16日 CNS】「リラックスして、自然の音が身体に流れ込むのを感じてください」。北京市東城区の路地裏にある小さな庭で、ヒーラーが時にはシンギングボウルを叩き、時には果実のシェイカーを優しく揺らしている。観光客は目を閉じて静かに座り、自然の音に合わせて心身をリラックスさせている。

果実のシェイカーは自然の素材から作られており、水鈴桐やヤクケン藤(マメ科)、インドネシア産の黒い果実、カルダモン、キョウチクトウなどの植物の実や殻が主な材料だ。洗浄、乾燥、穴あけなどの工程を経て、最終的にちりんちりんと鳴るシェイカーへと仕上げられる。この種のシェイカーは本来、インドネシアの伝統音楽演奏でよく見られたが、今ではその独特の自然な音色と「癒やし」の特性から、中国の若年層の支持を集めている。

「製作工程全体がとても癒やされ、とても楽しいです。さまざまな果実の殻が発する音もとても美しいです」と、90年代生まれの会社員・安(An、仮名)さんは共有した。彼女は週末を利用して友人とわざわざストレス解消に訪れ、果実の殻を選び、音色を比べ、麻紐で結んで連ね成型するまで、3時間かけて数本のお気に入りの果実のシェイカーを製作した。初体験にして自分自身の手先の器用さに驚き、最終的には満足して帰路についた。

果実のシェイカーは親子連れにも人気を集めている。深セン市(Shenzhen)から来た楊文(Yang Wen、仮名)さんは、子供を連れて北京旅行中、地図アプリでこの小店を見つけた。「子供はこの手の手作業がとても好きなので、体験させようと連れてきました。完成した時はとても達成感がありました」と彼女は語る。

店主の王当贻(Wang Dangyi)さんによると、店では本来、瞑想やシンギングボウル体験などのヒーリングプログラムを主要に提供しており、これは3か月以上続いている。最近新しく追加された果実のシェイカー体験活動は、毎週予約客がいるという。これらの果実の材料は主に雲南省(Yunnan)とインドネシアから仕入れており、顧客は自由に組み合わせて自分だけのユニークなスタイルを製作できる。体験費用は1人158元(約3267円)である。

「果実のシェイカーは国内の一部の南方都市ではとても流行っています。その面白さは、体験者が自由に組み合わせることで、さまざまな形のシェイカーを紐で繋ぎ作れる点にあります。これらの素材の異なる果実の殻がぶつかり合い、異なる音を発する。これはヒーリング経済の周辺派生商品なのです」と、王さんはさらに説明する。

果実のシェイカーの流行は偶然ではない。近年、中国の若年層は高速ペースの仕事や学習の中で、精神的「癒やし」をますます求めるようになっており、「情緒にお金を払う」ことに熱心で、ヒーリング製品やサービスをストレス解消や自分自身を喜ばせる優先選択肢としてしている。調査データによると、世界のヒーリング経済は年間10%の速度で成長しており、中国のヒーリング経済も急速に成長している。

手作りの果実のシェイカーはサイズが柔軟で用途も広く、キーホルダーやストラップ、家庭用置物などになる。中国のソーシャルメディア・小紅書(Red)では、あるネットショップで20~30元(約413〜620円)程度で販売されている小型の果実のシェイカーパーツが既に4000点以上売れており、ネットユーザーからは「音が山の渓流のように癒やされる」「買って耳にかけたい」「毎日手に取って2、3回振り、音を聞きたくなる、気分も良くなる」といった評価が寄せられている。このパーツは数回入荷補充を繰り返しても即完売し、「いつも買えない」「入荷を待っている」といったコメントが少なくない。さらに、一部の消費者はオンラインで材料キットを購入し、自宅でDIYの楽しみを体験し、ソーシャルメディアで感想を共有している。

将来、果実のシェイカーのように観賞性とヒーリング機能を兼ね備えた製品は、より豊かな形態で日常生活に溶け込み、現代人に寄り添う「自然の音の相棒」になるかもしれない。その形式がどう変化しようとも、この「ヒーリング経済」の波の中で、自然回帰や内面への注目こそが、人びとが真に求める癒やしの特効薬なのかもしれない。(c)CNS/JCM/AFPBB News