スウェーデン、刑事責任年齢を13歳に引き下げへ 犯罪実行役の低年齢化受け
このニュースをシェア
【9月11日 AFP】北欧スウェーデンでギャングが銃撃や爆破の実行役として未成年者を勧誘するケースが急増していることを受け、政府は10日、刑事責任年齢を15歳から13歳に引き下げる計画を発表した。
スウェーデンでは、ギャング同士の報復合戦や麻薬取引の縄張り争いなどを中心に暴力犯罪が急増。政府は10年以上にわたりこれを食い止めようとしてきたが成功していない。
右派連立政権および閣外協力している極右「スウェーデン民主党」は日刊紙エクスプレッセンへの寄稿で、「15歳未満の子どもが関与する犯罪の件数は、この10年間で倍増している。そして、死者を伴う銃撃事件の容疑者はますます低年齢化している」「この流れを止めなければならない」と述べた。
暗号化されたアプリを通じて、10代の少年少女が金銭と引き換えに犯罪を実行するよう勧誘されている。少年少女は年齢を理由に長期の拘禁刑を科されることはないと考えられているためだ。
警察によると、ギャングの幹部たちが国外に拠点を移し、そこから指示を出すケースも増えているという。
政府は「殺人や加重爆破といった特定の重大犯罪について、刑事責任年齢を13歳に引き下げることで合意した」と述べ、この措置は5年間の期間限定で実施されると付け加えた。
現政権は2022年、犯罪取り締まりを公約に掲げて政権を握った。発足から3年が経過し、次の総選挙は2026年9月に予定されているが、依然として公共の場での銃撃事件や爆破事件は毎日のように発生しており、罪のない人々が犠牲になることもある。
統計によると、近年、銃撃事件による死者数は減少しているが、爆破事件の件数は増加している。
「まともな社会が容認できないレベルの暴力が依然として存在する」という。
子どもの権利団体BRISは、刑事責任年齢の引き下げは「逆効果」になる恐れがあると指摘する。
BRISのマリア・フリスク氏事務局長は、「警察は、ギャングがさらに年下の子どもたちを勧誘するリスクが大きいと見ている」と述べた。
政府は、青少年犯罪対策として既に講じた、または今後講じる予定の一連の措置を列挙した。
その中には、現行の少年院制度に代わる少年専用の特別刑務所の設置、少年に対するより軽い刑罰の廃止、そして犯罪を命じた黒幕を捕まえるために警察が少年に対して強制的な手段を行使できるようにする措置などが含まれている。
政府はまた、社会福祉機関に対し、犯罪防止活動の強化を命じ、学校、警察、社会福祉機関の間の秘密保持の壁を撤廃し、コミュニケーションの改善を図った。
政府は、刑事責任年齢引き下げの施行時期については明らかにしなかった。(c)AFP