【9月11日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領(79)は10日、西部ユタ州の大学で講演中に銃撃され、死亡した保守系の政治活動家のチャーリー・カーク氏を保守的価値観の「殉教者」とたたえ、支持基盤である「米国を再び偉大に(MAGA)」運動の有力者らも後に続いた。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した動画でカーク氏について、「自由と民主主義、正義、そして米国民のために闘った。真実と自由の殉教者だ」とたたえた。

数百万人のフォロワーと動画を拡散させる才能を持つカーク氏は、若手保守派を代表する最大の保守系団体「ターニング・ポイントUSA」を設立した。

保守系インフルエンサー、ジャック・ポソビエック氏は保守系メディア「リアル・アメリカズ・ボイス」でのスティーブ・バノン氏との対談で、「チャーリー・カーク氏が始めた運動は決して終わらない」と語った。

これに対し第1次トランプ政権で首席戦略官を務めたバノン氏は、「われわれは断固たる決意を持たなければならない。チャーリー・カーク氏は戦争の犠牲者だ」と応じた。

他の保守派の有力者も、カーク氏が31歳で亡くなったことが行動を促すだろうと強調した。

保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のマット・ボイル氏は、バノン氏とのやり取りの中で、「米国内で火が付けられた。米国の右派、特に若者は、これを容認しないだろう」と述べた。

トランプ氏の支持者に人気のポッドキャスター、ベニー・ジョンソン氏は、X(旧ツイッター)に「チャーリー・カーク氏は米国の殉教者だ」と投稿。

保守系の有力シンクタンク、ヘリテージ財団のケビン・ロバーツ会長は声明で、「彼の殉教は、わが国にとってターニング・ポイント(転換点)となるはずだ」と、カーク氏が設立した保守系団体「ターニング・ポイントUSA」に言及したものとみられる。

ヘリテージ財団はトランプ氏の政策決定に影響を与え、長年にわたり保守政治に影響力を持っている。

トランプ氏とその支持者たちは、カーク氏の死を左派のせいにしようと躍起になっている。

かつてトランプ政権下で政府効率化省(DOGE)を率いた億万長者のイーロン・マスク氏は、カーク氏が銃撃された直後、Xに「左派は殺人政党だ」と投稿した。

トランプ氏は10日の演説で、「極左勢力による政治的暴力は、あまりにも多くの罪のない人々を傷つけ、あまりにも多くの命を奪ってきた」と述べた。

トランプ氏を声高に支持する米俳優ジェームズ・ウッズ氏はXで「これは銃による暴力ではない。民主党による暴力だ」と述べた。

保守派のテレビ司会者兼コメンテーター、グレッグ・ガットフェルド氏はFOXニュースで、「私たちは過激派ではないが、もし運動を鎮圧しようと考えているなら、厳しい現実に直面することになるだろう」と述べた。(c)AFP